2012 Fiscal Year Research-status Report
日本企業による海外R&D活動の質的変化の可能性に関する研究
Project/Area Number |
24530472
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Edogawa University |
Principal Investigator |
安田 英土 江戸川大学, 社会学部, 教授 (40327242)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
董 光哲 江戸川大学, 社会学部, 准教授 (50440178)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 国際的R&D / グローバル・イノベーション |
Research Abstract |
本研究計画の分析視覚の明確化、研究計画の確実な遂行を図るため、先行研究の調査・検討、これまでに蓄積された研究用データの整理・再検討を行った。この結果、日本企業による新興国地域でのR&D活動は、予想以上に拡がりを持っていることが明らかとなってきた。 1980年代~90年代にかけて欧米地域にR&D活動を拡大してきた日本企業が、2000年代に入って中国でのR&D活動を急激に強化してきたことは、これまでの取り組みの中で把握していた。現状は、さらに進展していたと言える。このため、当初予定していた中国地域だけの調査では、日本企業のグローバルなR&D活動の進化を捉えることができず、全体像を解明するために、その他の地域ならびに先進諸国地域との比較分析を行う必要性が出てきた。特に、研究成果普及の実態解明とその普及構造、成否の諸要因について、新興国地域と先進諸国地域の比較分析は必須の分析項目である。 なお、中国地域における産学連携調査は、当初、計画通りの実施を予定していたが、社会的情勢の変化によって、平成24年度中の実施が困難となった。このため、平成25年度上期に調査を実施する計画に変更した。現在、中国の協力機関と調査準備を進めている。500弱の大学・研究機関に対する産学連携調査を行える見込みである。また、日本企業による海外R&D活動の実態調査についても、対象地域を拡大した形で実施する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
中国における産学連携調査の実施が当初予定より遅れたため、日系企業海外R&D拠点・活動の調査実施が遅れている。遅延した最大の理由は、日中関係情勢の変化による影響だが、情勢の安定化により進行計画の遅れを取り戻すべく、中国の産学連携調査の実施準備を鋭意進めている。現地協力機関ならびに担当者との調整も順調に進んでおり、間もなく調査を実施できる見込みである。日系企業海外R&D拠点・活動に関する調査は、調査候補拠点のリスト作成を進めており、今年度中には調査を実行できる見込みである。
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Strategy for Future Research Activity |
上述した研究計画遂行の遅れを取り戻すことが最大の課題である。中国産学連携調査については、平成25年度前半に実施できる見込となっており、年度後半にはデータの分析・取り纏めが行える見通しである。また、日系企業海外拠点の調査については、今年度中の実施を目指して準備を進める。これらの調査より得られたデータに基づいた分析も、今年度中に取り掛かるものとする。加えて、当初の計画通り、日本側親企業に対するアンケート調査も同時並行的に実施する。 また、特許出願/取得件数ならびに引用動向、研究論文発表/引用動向についてDB検索からデータ取得し、アンケートデータ等との接続を行った分析をする。さらに、海外R&D活動の成果を起源とする新製品開発や新事業展開に関する事例の収集にも努める。 以上の取組から得られたデータを複合的に利用した分析を進め、最終的な研究成果としての取り纏め準備を行っていく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
中国産学連携調査及び中国を中心とする日系企業海外拠点に対する調査遅延が、最大の理由である。平成24年度中に生じた日中関係の変化は、計画立案段階の想定を大きく超えるものであった。だが、現時点で調査の目途はついており、今年度中に当初計画通りの支出が行える見込みである。 このため、当初計画の本年度費用と合算使用する予定は、現時点において想定していない。
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