2012 Fiscal Year Research-status Report
東・東南アジア地域における日本企業の合弁戦略と副次的戦略の合理性に関する研究
Project/Area Number |
24530503
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyoto University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
高島 知佐子 京都外国語大学, 外国語学部, 講師 (70590404)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀口 朋亨 大阪市立大学, 都市研究プラザ, 特任講師 (20568448)
石井 真一 大阪市立大学, 経営学研究科, 教授 (70315969)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 国際情報交換 / タイ / 戦略的CSR / 国際ビジネス展開 / 文化的変容 |
Research Abstract |
本年度は、本研究の目的である、東・東南アジア地域における日本企業の国際合弁行動(継続・解消にかんするパートナーシップ行動)と現地市場への戦略としてのCSR(Corporate Social Responsibility)、PR(Public Relations)やGR(Government Relations)との整合性、合理性を検証するために、1)タイを中心とするアジア地域の日系企業のCSR活動に関する調査、及び戦略的CSRにかんする理論的研究、2)同地域への日系企業の国際ビジネス展開と現地ビジネス環境ついての調査、及び国際ビジネス展開にかんする理論的研究を行った。 タイでの現地調査、及び国内でのヒアリング、既存研究の調査から、1)CSR活動を通した複数の国際機関、NGO、大学等との連携とそのプロセスがPR、GR及び現地市場の開拓において重要であること、2)同地域の日系企業では現地企業とのCSR活動の差別化が課題となっていること、3)CSR活動の策定やGRには、現地での“日本”への理解度や現地の文化的変容への配慮が大きくかかわることなどがわかった。これら調査・研究から得た知見をもとに、H25年度のアンケート調査に向けた調査・分析枠組みを構築した。 また、同時に個別の事例研究を進め、ワークショップの開催による研究の公開を計画した(実施はH25年度)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
タイを中心とするアジア地域の日系企業のCSR活動に関する調査・戦略的CSRにかんする理論的研究、及び同地域への日系企業の国際ビジネス展開と現地ビジネス環境についての調査・国際ビジネス展開にかんする理論的研究を通して、H25年度に予定しているアンケート調査項目の設計と分析枠組みの構築を終えた。悉皆調査を行うため、当初予定して出資形態別等による企業の抽出は、アンケート調査終了後の分析時に行うこととなった。 企業への調査は進められた一方、予定していた現地の官公庁、市民団体への聞き取り調査は、調査対象とする市民団体の抽出に時間を要し、十分に進めることができなかったため、H25年度に実施することとなった(市民団体の抽出は終了している)。また、タイにおける合弁と海外子会社の全体像の把握は、既存調査をもとに、より詳細に把握できるようH25年度に行うアンケート調査の中に組み込むことで実現することとなる。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画の通り、H25年度はアンケート調査とその分析に注力する。ただし、調査は一部企業を対象としていたが、現地の商工会議所等の協力を得て、悉皆調査を行う予定である。加えて、本年度十分に実施することができなかった現地市民団体や官公庁への聞き取り調査を実施する。H25年度はアンケート調査を通して、CSRとPR、GR、及び国際合弁における戦略の関連性を明らかにすることを目指す。また、本年度の事例研究の必要性が明らかになったことから、東・東南アジアへの進出が早い企業を対象に継続的な聞き取り調査を行い、合弁、CSR、PR、GR戦略にかんする経時変化の分析を進める。事例研究にかんしては本年度計画のワークショップをH25年度に実施し、研究を広く公開する。またこれらの研究を国内外の学会、論文で発表していく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初の予定通り、現地でのアンケート調査、及び継続的聞き取り調査を実施するためにタイを中心とした東・東南アジアへの旅費、データ整理や現地アシスントの人件費等の支出を予定している。このほか、アンケート調査の配布回収のための郵送費、理論的研究を進めるための図書費などに研究費を使用する。
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Research Products
(4 results)