2012 Fiscal Year Research-status Report
韓国自動車メーカーのデザイン戦略から分析するグローバル製品開発力に関する研究
Project/Area Number |
24530505
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
崔 裕眞 立命館大学, テクノロジー・マネジメント研究科, 准教授 (20589725)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塩地 洋 京都大学, 経済学研究科, 教授 (60215944)
李 在鎬 京都橘大学, 現代ビジネス学部, 准教授 (40342133)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 韓国自動車メーカー / デザイン戦略 / グローバル製品開発 / グローバル・マーケティング戦略 / デザインとブランディング経営の関係 / 現地化 / 売れる自動車デザイン / 重量級デザイナー |
Research Abstract |
本研究は韓国自動車メーカーのグローバル競争力の分析において、要素技術・製造技術・生産管理技術の向上と並んで、デザイン技術・能力の強化との戦略的展開に注目する。 韓国自動車メーカーがグローバル競争においてとくに強みを発揮している領域は中国・インド・ロシアを含む新興国市場であるが、その競争力について現地化を得意とすることや積極的なマーケティングが良く言及されている。北米と欧州市場を筆頭とする先進国市場でも顕著な成長を続け、同時に2000年代中盤以降はドイツのレッド・ドット賞や多くの国際デザイン賞の受賞が続いていることも事実である。 デザインの良さ・好みには個々人の感性や流行という一般化不可能な要素が多いため、初年度のリサーチでは、特定企業や特定商品に焦点を当てることなく、幅広い自動車産業内の複数業界の視点をもとにする情報収集に取り掛かった。 24年4月から25年3月までにかけて、国内と韓国・中国・フランス・アメリカ・タイランド・ニュージーランドという異なる市場特色を持つ地域で多用な意見と情報を収集している。研究計画に基づき、国内調査では期間中ほぼ毎月、東京・大阪・名古屋を中心として産学連携の研究会、完成車だけでなく部品メーカーおよび販売ディーラー、中古車ディーラー、そして廃車処理企業への訪問・取材を続け、韓国自動車のグローバル競争力について率直な見解を把握した。海外調査においては研究計画とおりの韓国(24年8月、25年3月)、中国(24年8月)を筆頭として、フランス・アメリカ(24年9月)、タイランド(24年12月)、ニュージーランド(25年2月)でも韓国自動車メーカーのデザイン戦略について多様な意見・情報収集を行った。 製造業の視座を超えて自動車という商品の付加価値を査定・決定するバリューチェーンの多様な視点からデザイン戦略の重要性についてフィールド調査に取り掛かっている。以上。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度の平成24年は、多様なソースから情報を確保することで、自動車のデザイン経営に影響を及ぼす多様な業界からの幅広い、しかし、共通した分析視座を得ることを目標とした。この目標はおおむね達成されている。以上。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度の最重要目標は「より明確な分析焦点をもとに、より絞られた取材対象とデーターソースを確保すること」と定めた。もう一つの研究推進方策は「国内外研究会・学会で進行・蓄積中の研究業績の一部の発信を試みて、確保可能なフィードバックをもとに研究データーの追加収集と議論の精緻化」である。これは、最終年度となる平成26年度にかけて国内外の学術誌・書籍出版を実現させるための基礎作業となる。以上。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度の研究費の約6割は一次資料収集のための国内外出張旅費に費やされることが予定されている。そして、残りの3割は学術研究会・学会での参加・研究発表のための旅費に当てられることが必須である。最後の1割は、自動車産業研究において必要とされる学術書や学術誌とデータ集、そして自動車業界紙等の出版物の購入に使われることになっている。平成24年度は一次資料収集を目的とする国内外出張旅費に経費集中が行われ、研究目的の二次資料、すなわち学術書や出版されているデータ、自動車産業業界紙等の購入は殆ど行われず、その分の未使用額が生じたが、これは研究代表者(崔)と研究分担者(塩地・李)の使用計画に全く同様に反映される結果となった。25年度の研究活動では、参考用の二次資料の購入に、この24年度の未使用額を活用する。さらに、25年度の海外研究出張で、資料・データー収集先としては、研究テーマーの韓国自動車メーカーの本社が所在する韓国に集中させるが、学術大会や学会等においては、欧米(とくに欧州)を中心に考慮している。以上。
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Research Products
(18 results)