2014 Fiscal Year Research-status Report
未利用資源を対象とした一次産品の有用性と流通の可能性に関する実証的考察
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24530525
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Research Institution | Ishinomaki Senshu University |
Principal Investigator |
石原 慎士 石巻専修大学, 経営学部, 教授 (20364325)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
李 東勲 石巻専修大学, 経営学部, 准教授 (50511755)
鈴木 英勝 石巻専修大学, 理工学部, 准教授 (80306068)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 未利用資源 / 製品開発 / 異業種連携 / 地域産業 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は、前年度までに開発作業を進めてきた水産加工会社から排出されるサバの中骨(三枚おろし後に残る加工残滓)を活用した濃縮スープと焼成カルシウム化した中骨(微粒子)を練り込んだラーメン用麺の流通適応性について考察した。流通適応性の考察に際しては、石巻市の水産加工会社ならびに製麺会社と連携し、商業実践的な販売活動を通して製品化の有効性について検証してきた。検証の結果、水産加工残滓を活用した製品の生産・出荷数は、連携事業者が手がけてきた既存品と比較して高い実績で推移しており、新規取引先を開拓する上で有効であることが判った。また、濃縮スープについても、製品のコンセプトやオリジナリティが評価されており、大手食品メーカーとの間で取引が実現するなど、小規模事業者の販路を開拓する上で有効であることが判った。 同製品の評価に際しては、石巻市の食品小売店において消費者調査(試食を伴うアンケート調査)も実施した。五件法による調査の結果、味覚面について肯定的な回答を選択する消費者の比率は高く、「他製品との違いを感じるか」との設問についても相違を認める回答が高い比率で得られた。水産加工会社から排出されるサバの中骨は、従来まで養殖用の飼料や魚油の生産に用いられてきたが、鮮度が高い加工残滓を選別し、製品原料として用いることは、付加価値が高い製品開発につながることが判った。 このほか、今年度はサバの内臓に付着する脂肪塊の成分分析を行うとともに、有用成分となる不飽和脂肪酸を活用した製品化の方策について考察した。不飽和脂肪酸を活用した製品化の方策については、現在、自然科学を専門とする共同研究者が抽出や濃縮方法などを検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
共同研究者の2名が1年間にわたって海外に滞在していたため、平成26年度で終了する予定であった研究期間を1年間延長したが、研究自体は概ね順調に進展している。平成27年度は、共同研究者の1名が専門とする成分抽出法に関する考察結果を踏まえ、サバの内臓に付着する脂肪塊を活用した製品開発の手法や流通の適応性について考察していく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は、サバの内臓に付着する脂肪塊(水産加工残滓)から不飽和脂肪酸を安定的に抽出する方法や濃縮する方法について検討するとともに、製品化を図りながら流通の適応性について考察していく。 また、平成26年度までに実施してきた中骨を活用した製品(濃縮スープ・焼成カルシウム入り麺)の市場適応性ついても、消費者調査などを実施しながら継続的に検証していく予定である。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は、研究分担者の2名が1年間(2013年9月~2014年8月)にわたり長期在外研究を行ったためである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度使用額については、研究分担者の2名が成分分析と市場適応性に関する調査活動に使用することを計画している。
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Research Products
(2 results)