2013 Fiscal Year Research-status Report
外資小売企業における中国流通システムへの影響に関する研究
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24530538
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Research Institution | Shizuoka Sangyo University |
Principal Investigator |
柯 麗華 静岡産業大学, 情報学部, 准教授 (60582377)
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Keywords | 中国 / 外資小売企業 / 流通システム / 流通チャネル / 小売主導型 / 小売事業システム |
Research Abstract |
本研究の目的は、欧米日の外資小売企業の標準化-適応化戦略が、中国の流通システム、流通チャネル、現地小売企業、消費者に与えた促進的な効果及び阻害的な要因について分析することである。 研究目的を達成するため、1「現代中国の流通システムの歴史的な推移と特徴の解明」、2「外資小売企業による大型総合スーパーマーケット業態の展開の特徴の解明」、3「外資小売企業による流通チャネルへの影響の解明」、4「外資小売企業への評価」という4つの副課題を設定した。 今年度の研究課題は、「外資小売企業の大型総合スーパーマーケット業態の展開特徴の解明」および「外資小売企業による流通チャネルへの影響の解明」である。まず、「外資小売企業による大型総合スーパーマーケット業態の展開の特徴の解明」については、業態の発展段階や企業ごとの資料収集に多くの時間を費やしたが、資料収集はまだ不完全であるため、26年度中に論文として書きまとめる予定である。 そして、「外資小売企業による流通チャネルへの影響の解明」に関する研究成果として、「中国における外資小売企業の展開に関する考察~中国流通システムへの影響を中心に~」と題した論文を書き上げ、2014年6月に刊行する予定である。この論文では、小売事業システムおよび流通チャネルの小売主導型流通システムの観点から、外資小売企業による中国流通システムへの影響について分析を試みた。結論としては、外資の小売事業システムは、小売業態の導入期や発展期に大きな影響力をもつ。しかし、小売業態の成熟期では、小売業に占める8割以上の国内企業は、外資の優れた小売事業システムを学習した上、中国の国情に適合した独自の小売事業システムを確立すれば、外資の優位性や影響力が弱める。さらに、政府の様々な対策の実施により、製販両方の緊張関係は改善され、より健全な流通システムを構築していくだろうと予測した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の研究課題である「外資小売企業の大型総合スーパーマーケット業態の展開特徴の解明」および「外資小売企業による流通チャネルへの影響の解明」について、ほぼ研究計画の通りに進んでいる。 まず、「外資小売企業の大型総合スーパーマーケット業態の展開特徴の解明」についての分析の手法としては、小売ライフサイクル論の視点に基づき、業態のそれぞれの発展段階からカルフール、ウォルマート、イトーヨーカドーの競争優位性を比較しながら分析する設定である。そのため、業態の発展段階や企業ごとの資料収集が不可欠であり、もともと長期にわたる地道な資料・文献の収集を計画しており、最終年度にまとめて論文として発表する予定である。 そして、「外資小売企業による流通チャネルへの影響の解明」に関する研究成果として、「中国における外資小売企業の展開に関する考察~中国流通システムへの影響を中心に~」と題した論文を書き上げ、最終校正を終え、2014年6月に刊行する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画通り、今年度の研究課題は、「外資小売企業の大型総合スーパーマーケット業態の展開特徴の解明」および「外資小売企業への評価」である。まず、「外資小売企業の大型総合スーパーマーケット業態の展開特徴の解明」について、さらに資料・文献、企業訪問などの作業を行い、論文として書き上げる予定である。 そして、「外資小売企業への評価」について、流通システム、流通チャネル、現地小売企業、消費者への影響について、カルフール、ウォルマート、イトーヨーカドーの3社の小売の経営技術の移転から分析し、促進効果と阻害要因の視点から評価したい。 最終年度であるため、本研究の成果をまとめる。そして、所属学会(アジア市場経済学会、日本商業学会、日本消費経済学会のいずれか)で報告を行い、学会誌に投稿する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
予定していた中国での企業へのインタビュー調査は、日程の調整に困難となったため、中国への渡航を断念した。そのため、旅費の予算が消化できなかった。 次年度の研究方法は、文献・資料収集、現地企業のインタビュー調査であり、これに伴い設備備品費、外国旅費が必要である。また、国内での資料収集、小売企業の調査、国内学会での報告に伴い、国内旅費も欠かせない。その詳細は、以下の通りである。 ①文献・資料収集のために250千円の設備備品費を計上する。②中国研究機関での文献・資料収集のために250千円の国外旅費を計上する。③カルフール、ウォルマート、イトーヨーカドーにおけるインタビュー調査のため400千円の外国旅費を計上する。④国内の小売調査、学会での報告のために旅費として10千円を計上する。
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Research Products
(3 results)