2015 Fiscal Year Annual Research Report
管理会計情報の共有が企業価値創造をもたらすマネジメント・モデルに関する研究
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24530579
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Research Institution | Meiji Gakuin University |
Principal Investigator |
西村 三保子 明治学院大学, 経済学部, 准教授 (80587288)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 管理会計情報の共有 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は、前年度に引き続き、交付申請書の「研究目的」に記載した第二の課題(組織内、および組織外における管理会計情報の共有が、企業を取り巻くステイクホルダーに及ぼす影響を事例にもとづいて考察すること)について取り組んだ。 具体的には、企業(京セラ、小松製作所、ソニー、キヤノン、花王等)の経理部門やIR部門、経営企画部門の異なる職位の経営管理者に対しインタビュー調査を行なった。また、調査対象企業の業種を製薬セクターに広げ、中外製薬株式会社の臨床開発部門のマネジャーに対しインタビュー調査を行なった。産業クラスターや六次産業化事業体については引き続き、大阪、京都において事業を営む事業体関係者やコーディネーター、学識者に対しインタビュー調査を行なった。 これらインタビュー調査の目的は、組織内、および組織間における管理会計情報共有の実態、情報フローを含む情報管理体制、情報共有を業績に結びつけるために鍵となる人材の存在について把握し、管理会計情報の共有が企業や産業クラスターの業績にどのように影響を及ぼしうるか、経営者の視点のみならず、従業員の視点や株主・投資家の視点から分析・考察することである。 上記インタビュー調査の結果、および調査から得られた知見は、2篇の論文として『経済研究』第150号、および『産業経理』第76巻第2号に掲載された(後者は掲載予定)。 研究対象として、産業クラスターや六次産業化事業体を含め、また企業の業種を電気機器、精密機器、輸送用機器、化学、医薬品にまで広げたことで、管理会計情報が様々な組織体で共有しうるものであることが確認できた。また、多様な利害関係者間でどのように共有され、どのように業績に影響を及ぼすのかについて、よりダイナミックかつ広範に研究を進められるため、その意義は大きいと考えられる。
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Research Products
(2 results)