2013 Fiscal Year Research-status Report
広狭域に及ぶ人的移動と地域交渉を介した地方社会の複合的形成に関する研究
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24530614
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
福田 恵 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 講師 (50454468)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥井 亜紗子 京都女子大学, 現代社会学部, 講師 (50457032)
田村 周一 くらしき作陽大学, 子ども教育学部, 助教 (50467643)
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Keywords | 広狭域 / 地方社会 / 地域住民自治組織 / 林業 / 医療 / 親族 / 山村 |
Research Abstract |
1.調査:地域医療については、公立八鹿病院(兵庫県養父市八鹿町、広域調査地Iに相当)の再調査を行った上で、看護専門学校における調査票調査およびインタビュー調査を実施した。林業については、富山県南砺市利賀村と富山市八尾町(広域調査地IIに相当)にて、インタビュー調査を行うととともに、林業作業と地域生活に関する記録資料を収集、撮影した。その他、兵庫県豊岡市下陰区、西花園区、生田西区、中区等(狭域調査地I)にて追加調査を実施した。 2.研究会・意見交換会の実施:初年(2012年)度の研究成果と2013年度の研究計画について、京都女子大学等にて、4月と8月に研究会を実施した。香美町村岡区山田区と豊岡市日高町稲葉区のそれぞれの前区長および現区長と市政及び区の現状について意見交換会を行った。 3.調査整理・研究成果:昨年度までに収集した聞き取り調査のテープ起こし、収集資料のナンバリング、図表・地図成など質的調査の整理を行った。日本村落研究学会関東地区研究会および林業経済学会Box(例会)にて、山村をテーマ(越境する山村研究の現在)として取り上げ、問題関心の共有化を図るとともに、広狭域に及ぶ山村像の射程と可能性を提示し意見交換を行った。また、但馬地方に関するこれまでの研究成果を共著書にまとめ、豊岡市の関連自治会(6区)および関連機関(市役所、図書館等約20カ所)に配布した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
三つのテーマのうち、林業と地域医療の調査については、おおむね予定通り進んでいるが、親族・同郷ネットワークに関する調査については、研究分担者の産休・育休に伴いやや遅れている。具体的な進捗状況は以下の通りである。 <林業関連>①富山県南砺市利賀村および富山市八尾町にて調査を実施し、写真や記録資料の提供を受けるなどの成果を得た。②富山県八尾市と香美町村岡区山田の調査情報に基づき、三重県から山田近辺に移住した林業家および富山県利賀村から長野県への移住者の情報を得た。 <医療関係>③公立八鹿病院にて医療施設および医療教育に関する再調査を行い、看護学校が地域社会の再生産に寄与している情報を得た。④看護学校の学生(1学年~3学年)を対象とした調査票調査を実施した。⑤看護学校の学生に対するインタビュー調査を実施した。 <親族・同郷関係>⑥看護学校の調査において、親族・同郷関連の質問を組み込み、20代前後の若者の都市農村経験や親族ネットワークに関する質的情報を得た。
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Strategy for Future Research Activity |
1.研究のまとめ:調査データから論点を明確化するために、派生するネットワークのラインを厳密に検討したうえで、文献情報と照らして各ネットワークの社会的特性と空間範域、狭域範囲や定点コミュニティとの関わりについて考察を加える。 2.追加調査:自治組織については、兵庫県香美町山田区、豊岡市日高町稲葉区等においてインタビュー、資料収集を行う。林業については、兵庫県(香美町)および富山県(富山市八尾)・長野県(伊那地方)・三重県(尾鷲市)で林業移動に関する追加情報を得る。医療については、兵庫県養父市および長野県(佐久地方)において、地域医療とそのネットワークに関する情報を収集する。親族・同郷ネットワークについては、但馬地方内の各高校(八鹿高校、豊岡高校、村岡高校など)出身者などへの調査を実施する。 3.研究成果の還元:一定程度の解釈ができた段階で適宜、インフォーマントに結果を解説し、修正を施す。研究成果は、第一に地元還元として、それぞれの調査地の要請に即して、調査報告会、アルバム・年表の提供、報告書の提出などをおこなう。学術的には、共同で学会報告を行い、関連する学術雑誌への投稿を行う。
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Research Products
(4 results)