2013 Fiscal Year Research-status Report
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24530646
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Research Institution | Shokei Gakuin College |
Principal Investigator |
菊池 哲彦 尚絅学院大学, 総合人間科学部, 准教授 (10419252)
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Keywords | 歴史保存 / 写真 / フランス |
Research Abstract |
平成25年度は、研究実施計画にもとづき、前年度の基礎調査を深めるために、これまでに蒐集した史資料の分類整理と、ここまでの研究報告と公表を中心に実施した。 まず、前年度末に実施したパリ現地調査で蒐集した史資料の分析を進め、ここまでの基礎研究で得られた知見を踏まえ、2013年6月の関東社会学会大会において学会報告を行った。この報告「前世紀転換期フランスにおける歴史保存運動と写真」では、フランスにおける歴史保存運動が展開していく中で、写真というメディアが構成する歴史意識が変容していく様相を指摘した。 2013年11月には、ここまでの研究を写真史料論として構成した論文「社会学の史料としての写真の可能性──近代フランスの歴史保存における写真をめぐって」を執筆・脱稿した(ミネルヴァ書房より近刊予定の野上元・小林多寿子(編)『歴史と向き合う社会学──資料・表象・経験』の第2章として収録)。また、写真資料論の著作についての書評依頼があり、本研究で得られた知見に基づく書評論文を2013年12月に公表した(『歴史評論』764号に収録)。 ここまでの研究の展開を踏まえ、史資料蒐集のための二週間のパリ現地調査を2014年2月後半に実施した。この調査は前年度調査の補足・追加史資料の蒐集とともに、20世紀初頭フランスにおける歴史意識と写真メディアにかかわる文化史的資料を蒐集した。現地調査終了後、次年度の研究に向けて、今回の調査で蒐集した資料の分類整理に着手した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究会における途中成果の報告は研究会と校務のスケジュールの調整が付かず実施できなかったが、学会報告と論文の執筆という成果の公表の部分、および現地調査についてはほぼ達成できた。ただし、論文は学会誌への投稿ではなく専門書に寄稿することとなった。論文は脱稿し入稿済であるが、書籍そのものは編集作業の都合で2014年5月時点で未刊行である。
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Strategy for Future Research Activity |
細部を変更することで初年度に生じた遅れもある程度回復し、現時点ではおおむね研究実施計画に沿って進行している。次年度は研究計画最終年度になるので、研究成果の公表の部分に主眼を置いて、計画通りの進行に努めたい。
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Research Products
(3 results)