2014 Fiscal Year Annual Research Report
辺野古・新基地建設に係る住民意識と反対運動参加者のライフヒストリーに関する研究
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24530655
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Research Institution | Senshu University |
Principal Investigator |
鐘ケ江 晴彦 専修大学, 文学部, 教授 (20129919)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
服部 あさこ 専修大学, 文学部, その他 (10424318)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 辺野古新基地建設 / 海上阻止行動 / シュワブゲート前座り込み / 沖縄の民意 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度の研究調査では、辺野古の新基地建設反対運動への参加者のうち非リーダー層を対象にライフヒストリー・インタビューを実施する予定であった。 しかし、1月に実施された名護市長選挙で地元の「辺野古新基地建設反対」の民意が明確に示されたにも関わらず、政府は前年12月の仲井間県知事による公有水面埋め立て許可を理由に埋め立て工事のための海底ボーリング調査を強行し、7月にはそのための資材搬入阻止闘争からキャンプシュワブゲート前の座り込みが開始され、8月には海底ボーリング調査が開始されたため、カヌーやモーターボートでの抗議・阻止闘争が連日行われ、いずれも沖縄県警機動隊、海上保安庁による暴力的規制と厳しく対峙することとなった。そのため、運動参加者に長時間を要するライフヒストリー・インタビューに応じてもらうことが事実上不可能となった。 そのことから、研究方法を参与観察調査に切り替えざるを得なくなり、鐘ヶ江は2014年4月18日~4月21日、8月10日~8月17日、11月14日~18日、12月24日~12月30日、2015年2月11日~2月、2月27日~3月5日に、また服部あさこは、11月14日~11月18日に、それぞれ名護市辺野古に出張した。これらの出張により、辺野古のテント村座り込み、キャンプシュワブゲート前座り込みと県警機動隊によるその実力排除活動、カヌー隊とモーターボートによる抗議行動と海上保安庁によるそれに対する暴力的な規制、新基地建設反対を訴えた翁長候補の圧勝に終わったオール沖縄の体制での沖縄県知事選挙の運動を参与観察し、辺野古新基地建設反対運動の新局面、沖縄県民の辺野古新基地建設及び日本政府に対する意識の劇的な変化、「構造的沖縄差別論」や「琉球独立論」の台頭とその基盤としての沖縄県民意識の構造と近年の変動を、全面的ではないが明らかにすることができた。
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Research Products
(1 results)