2012 Fiscal Year Research-status Report
母親の社会関係資本が子の教育格差に与える影響についての実証研究
Project/Area Number |
24530688
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kwassui Women's College |
Principal Investigator |
石川 由香里 活水女子大学, 健康生活学部, 教授 (80280270)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉原 名穂子 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 准教授 (00251687)
喜多 加実代 福岡教育大学, 教育学部, 教授 (30272743)
中西 祐子 武蔵大学, 社会学部, 准教授 (90282904)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 国際情報交換 |
Research Abstract |
今年度は、研究会を7月に福岡教育大学で、9月と1月に東京の武蔵大学で、さらに3月には合宿の形で4回開催し、先行研究のまとめと、調査方針について検討を行った。調査対象者については、現在の子育て世代と考えられる30歳から59歳の女性とし、住民基本台帳からの系統抽出でサンプルを得ることとした。調査地点については、これまでの先行研究ではソーシャル・キャピタルに地域要因がほとんど関連しておらず、費用等の面からも地域の絞り込みが必要との結論に達した。しかし一方で、地域移動については変数に加えたいとの意見もあったため、結論としては、全国から流入のある東京都区部、九州内から人の流入する福岡市、流出地域である長崎市とし、当初予定していた新潟市については外すことにした。 論点としては、どのような母親が社会関係資本を豊かに持つのか、母親のどういった社会関係資本が教育意識・教育行動に最も影響を与えるのか、また社会関係資本に階層性はあるのか、社会関係資本は階層変動に関連するのか逆に再生産に関係しやすい要因は何であるのか、社会関係資本の要素のうち一般的信頼は、他と関係を取り結ぶ能力として市民的活動に生かされるのか、等が出された。 具体的な調査項目については、各自の関心に基づき、次回の研究会までに検討してくることとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
計画書においては、24年度中に調査票の大まかな設計まで終了している予定であったが、先行研究の取りまとめと、各自の問題関心の共有に時間がかかり、実際の調査票についての着手までには至らなかった。 その理由としては、社会関係資本について学会内でも注目が集まっており、論文等が次々に出される状況にあるなかでそれらをレビューしていく必要があったことと、それらの中でも教育のとかかわりのある研究を選び出し、内容を検討することに時間を要したためであった。離れた地域に住む研究者からなる集団であるため、研究会の回数そのものは計画通りに開きはしたものの、移動にも手間を要するため時間的には十分とはいえなかった。メール等、通信機器を使っての情報のやり取りのみではやはり議論を深めるには至らず、もっと直接会しての長時間の議論が必要であったと思う。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、少々計画から遅れている調査票の策定に向けて、今年度は全力を傾ける。また夏から秋にかけて、調査対象者の標本抽出を行うことを予定しており、行政との連絡も取りながら、実施に向けて取り組みたい。できる限り今年度中に調査を実施し、来年度初めまでにデータ入力を終え、その後分析・学会等での成果の発表と進むことができるようにしたい。 研究会については、前年度の反省を踏まえ、回数についてはそれほど増やせないものの、1回あたりの日数・時間をとれるように各自のスケジュール調整をしていきたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
夏に予定している標本抽出における住民基本台帳の閲覧費は、自治体によっては1部あたり300円かかるため、3カ所の調査地点で各1,000票、合計3,000票配表するとして、それに900,000円必要となる。その郵送費が1通当たり200円、往復で400円として1,200,000円、また閲覧時及び郵送時に手伝いをお願いするアルバイト謝金として100,000円ほど見込まれている。残りの金額は、研究会旅費と文房具など若干の物品費に使用する予定である。
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