2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24530722
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Research Institution | Josai University |
Principal Investigator |
于 洋 城西大学, 現代政策学部, 准教授 (60386521)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
包 敏 広島国際大学, 医療福祉学部, 准教授 (00352013)
金 成垣 東京経済大学, 経済学部, 准教授 (20451875)
埋橋 孝文 同志社大学, 社会学部, 教授 (60213427)
真殿 仁美 城西大学, 現代政策学部, 助教 (70412781)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 社会保障 / 生活保護 / 適度普恵型福祉 / 東アジア福祉の比較研究 / 中国版皆年金体制 / 家族依存型 / 見取りケア / 障害者の社会保障制度 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、中国の「弱者層」社会福祉政策を最低生活保障制度(公的扶助制度)、障害者福祉制度、高齢者福祉制度と農村住民の医療保障制度という4つの側面から考察し、それらの政策の展開過程を中国の経済・社会の変容と関連付けながら実証的・理論的に明らかにすることを目的とする。社会保障制度の財政規模の推測、財源調達における中央と地方の役割を解明することと、「弱者層」社会福祉の日中韓比較のための基本的視座を得ることをも目的としている。 平成26年度は、本研究の最終年度にあたり、研究全体の取りまとめと次の共同研究のための準備など精力的に活動してきた。于は平成24,25年度の研究を踏まえ、本年度では主に以下の2つの研究成果をあげた。①中国の社会保障制度の財政規模と政府財政からの支出規模を推計した。②中国の介護サービスの展開における問題点および日本から得られる経験を検討した。中国の社会保障制度の財政規模の試算は日本国内では行なわれていないため、今後日中社会保障を比較する際に不可欠な資料となるだろう。埋橋は介護サービス市場として潜在的成長力が高い中国では日本の介護サービス事業者が進出したことに注目した。本研究のつづきとしては、日本で発達した高齢者向けサービスのノウハウを中国に輸出する機会を拡大させるために、日本の介護事業者のターゲットは少数の富裕層から多数の中間層高齢者まで拡大することが可能かを検証した上で、中国の介護市場に適合する具体的かつ実現可能性の高い「福祉経営モデル」を探りたい。金は、「後発型福祉国家」ともいえる日本と韓国にみられる雇用保障・社会保障政策を、家族政策とのかかわりで分析しつつ、そこにみられる「家族依存型福祉国家」としての特徴を明らかにした。これをふまえ、日韓両国と中国を比較分析するための論点を明らかにした。包と真殿も高齢者福祉と障害者福祉の政策展開に関する研究に取り組んだ。
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