2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24530759
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Research Institution | Bukkyo University |
Principal Investigator |
佐藤 順子 佛教大学, 福祉教育開発センター, 講師 (80329995)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | マイクロクレジット / 生活困窮者支援施策 / 金融包摂 / フランス共和国 / アメリカ合衆国 / フードバンク活動 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は研究成果物公開の準備及び研究会報告等を中心に行った。3年間を通じた研究成果は次の通りである。 本研究は先進資本主義国におけるマイクロクレジットを生活困窮者支援・金融包摂施策の一手法として捉えた実証的な研究である。マイクロクレジットについては2006年度ノーベル平和賞受賞者であるムハマド・ユヌス氏によるグラミン銀行の実践等によってすでに広く知られているところであり,日本では平成19年4月に策定された多重債務問題改善プログラムにおいて「日本版グラミン銀行モデル」として取り上げられている。しかし,貸付研究に関する社会福祉学からのアプローチは希少である。そのため,生活困窮者支援としての貸付事業について研究を行うためには,先進例を持つアメリカ・フランスにおいてマイクロクレジットがなぜ導入されたか,また,どのようなスキームのもとで機能しているかについて調査する事は日本において本格的にマイクロクレジットを展開する際には欠かせないと考えられる。本研究では日本・アメリカ・フランスにおいて,マイクロクレジットがどのような経緯で取り入れられ,その後どのように遷移したかを明らかにした。 その結果,生活困窮者支援・金融包摂政策としてのマイクロクレジット機関には多様なアクターが必要であり,そのの育成のためには財政的措置を伴った政策とマイクロクレジット機関による効果的な活動が両輪をなした上で初めて機能するとの結論を得た。 本研究は,今後の展開として「給付と貸付のバランスはどのように取られるべきか」, 「NPO等の生活困窮者支援組織の事業開始・事業継続にとって必要な条件は何か」をテーマに,日本・フランス・アメリカ・イギリスのフードバンク活動を例に調査し、考察を加え,研究成果を広く発信したいと考える。
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Research Products
(4 results)