2015 Fiscal Year Annual Research Report
パネル調査に基づく家族システムの発達と移行に関する研究
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24530799
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Research Institution | Otemon Gakuin University |
Principal Investigator |
石盛 真徳 追手門学院大学, 経営学部, 准教授 (70340453)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小杉 考司 山口大学, 教育学部, 准教授 (60452629)
清水 裕士 関西学院大学, 社会学部, 准教授 (60621604)
渡邊 太 大阪国際大学, 人間科学部, 講師 (80513142)
藤澤 隆史 福井大学, 学内共同利用施設等, その他 (90434894)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 家族システム / 地域生活満足度 / 居住継続意図 |
Outline of Annual Research Achievements |
家族成員全員が同居しており、かつ末子が高校生の4人家族の父親と母親223組(平均年齢父親49.7 歳、母親47.1 歳)のデータについて、重回帰分析を実施した。生活満足度を従属変数とした分析では、愛着、家族の柔軟性、地域の結びつきがそれぞれ正の、うつと性別がそれぞれ負の有意な影響を有していたことが示された。すなわち、地域生活満足度を従属変数とした分析では、地域コミュニティへの愛着が高く、地域の結びつきを強く認識し、家族の柔軟性が高いほど地域生活満足度が高く、逆にうつ傾向が高いほど、また男性よりも女性の方が、生活満足度が低いという結果であった。居住継続意図を従属変数とした分析では、地域コミュニティへの愛着が高く、夫婦間の問題に積極的アプローチを取る傾向にあるほど、また、家族の柔軟性が高いほど居住継続意図が強くなるということが示された。逆に、地域での孤独・孤立の高さと子どもとの会話の多さは居住継続意図を低めるという影響を及ぼしていた。地域生活満足度と居住継続意図に家族の柔軟性という家族関係に関する要因が共通して影響を及ぼしていた点は、家族のあり方と地域コミュニティとの関連性についてより詳細な検討の必要性を示唆する結果といえる。
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