2012 Fiscal Year Research-status Report
学校危機後の学校に対する長期的介入支援に関する研究
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24530818
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
瀧野 揚三 大阪教育大学, 大学共同利用機関等の部局等, 教授 (60206919)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 介入的支援 / 学校危機 / こころのケア / 心理教育 |
Research Abstract |
この研究は、学校危機事例への支援をもとに、中・長期的な学校運営と学級経営の課題を明らかにし、学校危機を経験した児童生徒への長期にわたる介入的支援活動についてまとめ、今後、学校安全の実践や心のケアをどのように進めていくか、東日本大震災における中・長期的な支援への活用を目的としている。 この研究の初年度には、これまでより継続してきている介入的支援を継続的に実践し、研修会等で実践成果の活用・普及を行った。これらの取り組みに対し、探索的に評価視点を検討した。支援の主な対象者は、児童生徒、教師、保護者であるが、教師を対象とした支援を中心に行った。通常の教育活動のなかで関わることや観察によって状況を把握するのが基本であるが、中学校と高等学校では、学校生活状況についての質問紙調査を実施し、結果の分析から、生徒の状況と支援についてのプロセス評価とした。一部の学年では学級の状況や必要とされる心理教育的な課題が見いだされた。心理教育的な実践を教員と協議し、資料提供やコンサルテーションを行い、ホームルームなどの時間に介入的支援が実施された。 教員へのコンサルテーションは、毎週実施しているコーディネーター、カウンセラーとのミーティングで情報交換により実施した。要支援、要配慮の児童生徒の保護者とは、コーディネーターと協議しながら定期的にミーティングを行った。状況の理解やニーズの把握に加え、支援のプロセス評価の一部と考えている。 セルフケアの進め方、サポートセンターやその他の支援資源についての周知のために、心理教育的資料の作成を進めている。平成25年度の前半には配布を行い、あわせて、電話相談等の対応を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでより継続してきている学校危機事例への介入的支援を継続的に実践し、研修会等で実践成果の活用・普及を行ってきている。これらの取り組みに対し、探索的に評価視点を検討している。中学校と高等学校における学校生活状況についての質問紙調査結果より、生徒の状況と支援についてのプロセス評価がなされ、一部の学年では学級の状況や必要とされる心理教育的な課題が見いだされた。心理教育的な実践を教員と協議し、資料提供や教員へのコンサルテーションを行い、ホームルームなどの時間に介入的支援が実施された。 セルフケアの進め方、サポートセンターやその他の支援資源についての周知のために、心理教育的資料の作成がやや遅れぎみではあるが、平成25年度の前半には配布を行い、あわせて、電話相談等の対応を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでより継続してきている学校危機事例への介入的支援を継続的に実践するなかで、プロセス評価とアウトカム評価の観点から、実践的介入についての評価や検証を行う。また、研修会等で実践成果の活用・普及を行うなかで、東日本大震災後の中・長期支援に援用できる内容を見きわめて行く予定であう。学校生活状況についての質問紙調査結果の活用に関しても、結果の評価と実践的で心理教育的な介入方法の実施を進めながら介入的支援のありかたについて評価や検証を続ける。 セルフケアの進め方、サポートセンターやその他の支援資源についての活用の推進のための発信について、心理教育的資料の作成と配布を契機に、電話相談等の対応を行っていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
設備備品に関して、学校生活状況の質問紙調査の実施、結果の分析、結果の報告等に活用するためのデータ収集、データ処理、比較検討のためのデータ保管に情報端末や記録媒体を活用する予定である。 その作業の効率化や精緻化のために、人件費と謝金を設定して活用する予定である。 旅費については、国際学校心理学会において、東日本大震災に関わる支援の実際についての研究発表ならびに、意見交換を行うために、ポルト(ポルトガル)への出張費用として使用する予定である。国内学会への参加ならびに東日本大震災の被災地で活動する教職員への支援のためにも旅費を活用する予定である。
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Research Products
(11 results)