2013 Fiscal Year Research-status Report
学校危機後の学校に対する長期的介入支援に関する研究
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24530818
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
瀧野 揚三 大阪教育大学, 大学共同利用機関等の部局等, 教授 (60206919)
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Keywords | 学校危機対応 / 介入的支援 / こころのケア / 心理教育 |
Research Abstract |
本研究は、学校危機事例への支援をもとに、中・長期的な学校運営と学級経営の課題を明らかにし、学校危機を経験した児童生徒への長期にわたる介入的支援活動についてまとめ、今後、学校安全の実践や心のケアをどのように進めていくか、東日本大震災におけ る中・長期的な支援への活用を目的としている。 本年度は、これまでより行ってきている中学校及び高等学校への介入的支援を継続的に実践し、研修会や学校コンサルテーション等で実践成果の活用・普及を行った。これらの取り組みに対して評価視点を検討してきた。支援の主な対象者は、児童生徒、教師、保護者であるが、実際には、教師を中心に支援を行った。通常の教育活動のなかで関わることや観察によって状況を把握するなかで、中学校と高等学校では、「学校生活状況についての質問紙調査」を実施し、結果の分析から、生徒の状況と支援についてのプロセス評価とした。校内の援助資源の状態、安全感、安心感の認知、いじめや暴力の状況、携帯やスマートフォンに関する利用状況などを含む調査結果から、一部の学年では学級の状況や必要とされる心理教育的な課題が明らかとなり、心理教育的な実践を教員と協議し、資料提供やコンサルテーションをもとにホームルームなどの時間に介入的支援が実施された。 教員へのコンサルテーションは、毎週実施しているコーディネーター、カウンセラーとのミーティングで情報交換により実施した。要支援、要配慮の児童生徒の保護者とは、コーディネーターと協議しながら定期的にミーティングを行ったり、カウンセラーに支援を依頼した。状況の理解やニーズの把握に加え、支援のプロセス評価にあたる。 長期的な影響についてのセルフケアの進め方、学校危機サポートセンターやその他の支援資源についての周知のために、心理教育的資料を作成して郵送による配布を行い、あわせて、電話相談や面接などによる対応を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
学校危機事例への介入的支援が継続的に実践され、ミーティング、コンサルテーション、調査などの支援が順調に進行している。また、ここでの取組みをもとに、研究発表をおこない、また、研修会等で実践成果の活用・普及を行ってきている。 また、卒業生にむけて、セルフケアの進め方、サポートセンターやその他の支援資源についての周知のために、心理教育的資料を作成して配布を行った。電話相談等の対応を行なうことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
ここまでの長期的介入的支援について、実践記録をまとめ、評価や検証を加え、総括する。学校危機対応について、学校運営面で、安全を推進するための一次予防、危機の拡大を防ぎ、回復に迅速に取り組む二次予防、回復期の三次予防へと拡がる包括的な学校の取り組みを長期にわたって実施していく体制づくりへの介入的支援につながる提案を作成する。学会や研修会の場を活用し、検証を行った長期の介入的支援内容について広める予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
データ入力などのために人件費・謝金を設定していたが、調査データ入力作業として外部委託し、その他の項目での支出となった。そして、予定していた金額よりも安価で作業ができたため。 余剰分について、外部委託のデータ入力作業や旅費の一部として使用する計画である。
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Research Products
(6 results)