2016 Fiscal Year Annual Research Report
Development of support program for Japanese children's ability of improving interpersonal conflict resolution strategies
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24530865
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Research Institution | Aichi University of Education |
Principal Investigator |
鈴木 伸子 愛知教育大学, 教育学部, 准教授 (70387497)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
五十嵐 哲也 名古屋大学, 心の発達支援研究実践センター, 准教授 (90458141)
坪井 裕子 名古屋市立大学, 大学院人間文化研究科, 教授 (40421268)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 日本人児童 / 対人交渉能力発達支援 / 全国調査 / 国際比較 |
Outline of Annual Research Achievements |
子どもの対人交渉能力に関するインタビュー調査:児童福祉施設に入所している児童の対人葛藤解決の特徴について、その結果の一部をThe 2016 conference of the International School Psychology Association (ISPA) in Amsterdamにおいて発表した。結果から、施設児は一般児(対照群)と比較して低い発達水準の解決方略を用いやすいことが示され、仲間間で効果的な対人葛藤解決が行えていないことが示唆された。また、ここからは、彼らが日常的に抱える対人的な問題を再現している可能性がうかがえ、解決方略に関連する対人関係スキルを伸ばすような心理教育的アプローチの開発を行っていくことが今後の課題である。 子どもの対人交渉能力と学校適応感に関する全国調査:昨年度の日本心理臨床学会第34回秋季大会における発表内容について、分析方法を見直し論文化した。結果から、授業中の意見相違場面における児童の対人葛藤解決方略の特徴は、児童の学級に対する主観的認知によって異なり、また、学級全体の状態によっても異なることが示唆された。 小学生における対人交渉能力発達支援に関するプログラム開発:日本とフィンランドの小中学生における心の健康に関する2国間調査結果をまとめた学術図書(「日本とフィンランドにおける子どものウェルビーイングへの多面的アプローチ‐子どもの幸福を考える‐」、松本真理子編著、明石書店)に、両国の対人葛藤解決方略の比較結果の一部を分担執筆した。結果から、両国の子どもの葛藤解決における対人志向性の違いは中学生期を境に顕著になることが示唆された。また、特に日本の子どもは他者を準拠点として自分の振る舞いを決定しがちであることから、両国の子どもの対人葛藤解決方略と心の健康という包括的な側面からの検討が今後の課題である。
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Research Products
(4 results)