2013 Fiscal Year Research-status Report
対人恐怖症(社交不安障害)の心理発達的要因を探る:嫌悪判断を中心に
Project/Area Number |
24530867
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
相澤 直樹 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 准教授 (10335408)
|
Keywords | 対人恐怖症 / 社交不安障害 / 対人関係 / 臨床心理学 / 発達心理学 |
Research Abstract |
平成25年度は,連携研究者一名との連携のもとに,以下に示す研究成果を得た。 1.昨年度から継続して,研究代表者が対人恐怖症(社交不安障害),ならびに,対人関係の認知発達に関する国内外の書籍,研究論文等の資料を広範に収集分析した。その中で,特に子どもの対人恐怖(社交不安)の特徴や,親子関係や友人関係が子どもの対人恐怖(社交不安)に与える影響などに関する知見を抽出し,整理する作業に取り組んだ。 2.子どもの対人恐怖症(社交不安障害)に関する最新の研究知見を収集するため,研究代表者,ならびに,一部連携研究者の協力を得ながら,日本心理臨床学会第32回秋季大会,日本カウンセリング学会第47回大会,日本応用心理学会第80回大会,日本心理学会第77回大会,ならびに,第31回日本青年期精神療法学会総会に参加し,関連する研究発表,シンポジウム等で研究者間での情報交換をおこなった。 3.9月より調査協力校として神戸市内の小学校と連絡調整を開始した。11月に神戸大学大学院人間発達環境学研究科研究倫理審査委員会に調査の実施に関わる倫理的対応に関する審査を申請し,12月に承認を得た。12月から1月にかけて神戸市内の小学校2校の協力を得て,小学校4年生から6年生の児童生徒を対象に質問紙調査を実施し,403名分の調査データを得た。 4.以上の成果から,子どもの対人恐怖症(社交不安障害)の心理発達的要因に関する先行研究が収集整理され,それらの知見を文献資料研究として1篇の論文にまとめ,9月に神戸大学大学院人間発達環境学研究科研究紀要に研究報告として投稿した。また,調査データの解析を進め,次年度以降の心理学関連諸学会における学会発表,ならびに,心理学関連諸学会の学術論文,大学の紀要論文への論文投稿に向けた準備に取り掛かった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画の達成度を文献資料研究,調査研究の実施とデータの分析,成果の公表の観点からそれぞれ以下のように評価した。 1.文献資料研究に関しては,昨年度から国内外の文献資料を広く収集整理し,子どもの対人恐怖症(社交不安障害)に関する知見を1篇の紀要論文として投稿した。 2.調査研究に関しては,調査協力校との連絡調整,倫理委員会への申請等必要な手続きを速やかにおこなった。質問紙調査をすべて予定どおり実施し,分析に必要な調査データの収集を終えた。 3.文献資料研究の成果を紀要論文に投稿するとともに,調査研究データの一部を公表するため次年度の日本心理臨床学会第33回秋季大会に1件のポスター発表を申請した。 以上の進捗状況から,研究計画全体としてはおおむね順調に進展していると評価した。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は以下のように研究を推進する。 1.文献資料研究に関しては,最新の研究知見を継続して得るため,年度当初より国内外の文献資料を広範に収集する作業に取り組む。得られた知見を調査研究の成果と合わせた最終的な研究論文の構築に向けた基礎理論として統合する。 2.調査研究に関しては,前年度に得られた調査データの整理分析作業を継続する。得られた分析結果を心理学関連諸学会,ならびに,学術専門誌を通じて公表する準備をおこなう。また,追加的な知見を得るために,青年期男女を対象とした質問紙調査をおこなう。 3.調査研究で得られた知見を心理学会関連諸学会において発表するとともに,文献資料研究の知見も併せて本研究の最終的な成果の取りまとめにあたる研究論文の執筆に取り組む。また,最終年度の研究成果報告書の作成に取り掛かる。
|