2013 Fiscal Year Research-status Report
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24530955
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
船寄 俊雄 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 教授 (40181432)
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Keywords | 中等修身検定教科書 / 宇野哲人 / 吉田静致 / 深作安文 / 友枝高彦 / 文検受験生 / 文検世界 / 教育修身研究 |
Research Abstract |
今年度行った作業は二つである。ひとつは、前年度終了しなかった作業課題の遂行であり、いまひとつは、試験委員の著作リストの作成である。前者については、『文検受験生』『文検世界』『教育修身研究』の3誌から、試験問題に関する情報と、試験委員に関する情報を抽出し整理する作業を行った。作業課題は明確であり、着実に進めているが、本年度は校務が多忙であり、期待したエフォートが確保できず、すべてを終了させることはできなかった。後者については、先の3誌からの情報の取得と、試験委員の著作の収集を主要に行った。前者と同様に、研究時間の確保がなかなか難しく、すべてを予定通りに終了させることはできなかった。以上二つの作業課題については、予定通り終了させることはできていないが、以下のような成果は着実にあがっている。 ・戦前期を通して、試験問題の復元がほぼ終了した。 ・戦前期を通して、担当した試験委員がほぼ判明した。 ・試験委員のうち、とりわけ担当期間の長かった宇野哲人、吉田静致、深作安文、友枝高彦の4名については、彼らの著作と彼らの弟子筋の人たちが編んだ著作目録・回想録などを精力的に収集した。また、彼らは中等学校用の修身教科書をたくさん編纂しているので、それらを古書店を通じて大量に購入し、研究代表者である船寄が所属している神戸大学の人間科学系図書館にコレクションとして残すべく作業を行っている。 ・先にあげた3誌に掲載された情報の収集がかなり進んだ。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度の主要な作業課題は、当初の研究目的では試験委員の著作リストの作成であり、それを行ったが、前年度の作業課題が残っていたことと、史料の収集そのものは随分進めたが、哲学・倫理学という研究代表者の専門と異なる領域の史料が多いため読解に予想以上の時間をとられたことが理由としては大きい。
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Strategy for Future Research Activity |
研究は遅れ気味だが、申請時に設定したスケジュールには変更はない。予定では、次年度は、中等修身教科書の内容分析、および修身科の授業を受けた生徒たちの感想と教師たちの自己分析を進めることになっており、それを予定通り行いたい。と同時に、本年度の作業で遅れ気味になっている試験委員の著作については、次年度の作業に合わせて少し限定をかけ、試験委員が著した中等修身教科書の内容に即して分析を行うことにしたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
先に記したように、研究計画に遅れが生じ、史料の収集のみに終わり、整理・分析するための作業に時間が割けなかったため。 今年度収集した史料の整理・分析に時間を割くこと、そのためのアルバイト要員の確保をしっかり行い、人件費・謝金をスムーズに活用することを心がける。
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