2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24530955
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
船寄 俊雄 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 教授 (40181432)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 「文検」修身科 / 中等修身 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、「文検」修身科の全体像を明らかにすることを目的としている。その目的を達成するために、(1)制度の解明、(2)試験問題の分析、(3)試験委員の分析、(4)受験者の分析、(5)「中等修身」の実態解明の五つの作業課題を設定している。5年間の研究期間のちょうど中間であった今年度は、前年度までに達成できなかった課題の遂行と、当初の研究計画に基づいて、予定していた研究計画を遂行した。 まず、前年度からの課題として、「文検」修身科の試験委員の分析に関し、明治期の試験委員の特定とその人物の言説に関する資料の収集を行った。 ついで、当初の予定であった次の二つの作業を行った。一つは、「文検修身科」の試験問題の分析であり、いま一つは、「中等修身」の実態の分析である。前者については、『文検受験生』『教育修身研究』という二つの受験雑誌に焦点をあて、同誌に収載されている試験問題の分析欄の分析、同じく合格体験記による合格者の言説の分析、同じく模擬試験欄の模範解答の分析を行った。後者については、修身教科書を収集し、そこに記載されている内容について、中学校、高等女学校、師範学校、さらには実業学校別に、記載されている内容の精読を行った。その上で、記載内容の学校種別ごとの共通性と異質性に留意して分析を行った。ただ、いずれの課題も作業量が膨大かつ細かく、予定通り作業が終了しているわけではなく、いくつかの作業を同時並行的に行っているのが実状である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
作業の対象としている資料は、『文検受験生』『教育修身研究』という受験雑誌と中等諸学校の修身科教科書であるが、いずれの資料とも膨大量が膨大であり、かつ作業を進めていくと予想以上に採録をしなければいけない箇所が多いことが判明し、採録(カードに必要と思われる箇所を抜書きする作業)に時間を取られたためである。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究に関するエフォートをしっかり確保することに尽きる。現在携わっている職場の管理的業務との兼ね合いに細心の注意を払いたい。
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Causes of Carryover |
資料収集のための出張日程が確保できず、それに当てていた費用が余ったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
資料収集のための出張日程の確保を行う。
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