2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24530961
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
藤岡 健太郎 九州大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (00423575)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
折田 悦郎 九州大学, 人文科学研究科(研究院), 教授 (10177305)
永島 広紀 佐賀大学, 文化教育学部, 准教授 (50315181)
陳 昊 九州大学, 人間・環境学研究科(研究院), 研究員 (50404108)
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Keywords | 帝国大学 / アジア / 植民地 / フィールドワーク |
Research Abstract |
①九州帝国大学教官のアジア出張状況・調査研究の成果に関する調査:平成24年度中に完了させることができなかったため、引き続き、九州帝国大学教官のアジア出張(研究・調査)の状況について、国立公文書館等で史料の収集・整理を行った。平成24年度に作成した一覧表のうちこれまで不明であったデータの多くを明らかにすることができ、作業はほぼ完了したものと思われる。また、比較検討のために、九大以外の帝国大学教官のアジア出張状況についても史料収集を行った。調査研究の成果(論文等)も多数収集することができたが、これについては未発見・未収集のものも残った。 ②九州帝国大学外地演習林の調査:平成24年度の旧南鮮演習林の調査に引き続き、旧樺太演習林跡地の現地調査を行った。また併せてサハリン州公文書館での史料調査を実施し、九州帝国大学ほかの大学演習林と王子製紙との関係を示す史料数点を新たに発見した。これにより、すでに平成24年度に行った外地演習林の研究に、新たな知見を加える材料を得ることができた。 ③九州帝国大学アジア調査研究関係講座等の設置構想に関する研究:平成24年度に実施する予定であったが延期していたこの研究に着手した。九州大学所蔵の概算要求書等から、講座等の設置構想に関する史料の調査・収集を実施した。収集史料の整理と検討も行ったが、年度内には完了しなかったため、平成26年度も引き続き作業を行っていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
教官のアジア出張状況についてのデータの収集はほぼ完了した。また、九州帝国大学におけるアジア調査研究関係講座等の設置構想に関する研究も、具体的なかたちにはまだなっていないものの、史料の収集・整理等は進めることができた。 一方、調査・研究の成果である論文等の収集が難航したため、平成25年度に予定していた個別テーマの設定・課題の検討に入ることがほとんどできなかった。このため研究全体としては遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究対象となる教官の調査・研究の成果物(論文等)の収集をできるだけ速やかに完了させる。そのうえで各研究分担者が地域別(満蒙:藤岡、中国:陳、東南アジア:折田、植民地:永島)の主担当と学部別(理・農:藤岡、医:折田、工:陳、法文:永島)の副担当とで相談し、個別の研究テーマを設定して、検討を行っていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
物品費について、調査研究の成果物(著書等)のデータ収集が予想以上に難航し、そのため資料の購入がほとんどできなかったことにより多額の余剰が生じた。旅費については、平成25年度は当初中国での史料調査を行う予定であったが、諸事情によりサハリンでの旧樺太演習林等の調査に変更した。これには研究分担者の折田も参加する予定であったが、健康上の理由により取りやめとなった。また、研究補助・資料整理を行う者を雇用する予定であったが、平成25年度に依頼していた者が都合がつかず、代わりの者を探したものの適任者がなかったため、人件費を使用することができなかった。主にこの3つの理由により次年度使用額が生じることとなった。 成果物のデータ収集を進め、資料の購入を行う。中国での史料調査と旧台湾演習林の調査を行う。また研究補助・資料整理を行う者を雇用し、遅れの生じている研究を加速させる費用に使用する。
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