2014 Fiscal Year Research-status Report
<感覚>作用、特に<音>に注目した環境教育と文学教育の横断的研究とその実践
Project/Area Number |
24530980
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Research Institution | Fukuoka Jo Gakuin University |
Principal Investigator |
大國 眞希 福岡女学院大学, 人文学部, 教授 (00418980)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小島 望(小島望) 川口短期大学, ビジネス実務学科, 准教授 (10435240)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 文学教育 / 環境教育 / 国語科教育法 / 音 / 関東大震災 / サウンドスケープ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は大きく研究の柱を3つに分けて立てている。 1つめ、環境と音については、サウンドスケープや都市と音についてのフィールドワークや研究をなさっている方のワークショップに参加するなどして、研究をすすめている。 2つめ、文学と音についての最も大きな実績は、関東大震災前後6か月(通年)に発行された「中央公論」「新小説」「女性」「新潮」に掲載された小説の中から<音>を抽出し、変化を分析する調査をおこなったことである。この結果報告については『福岡女学院大学紀要人文学部篇』25号に投稿し、世に問うことができた。また、その調査を踏まえて、調査にあたった安藤公美、乾英治郎、野本聡、大國で、日本文学協会第69回大会ラウンドテーブル「<音>に注目した読みの可能性―関東大震災を機軸に―」に参加した。この時に発表した内容に基いて執筆された論文を「水月」創刊号に掲載した。本研究における読みの妥当性を問う機構としての物語研究会も月に一度、開催し、研究の進捗状況を確認し、方向性を定めるために機能した。 3つめ、教育と音に関しては、福岡女学院大学で研究会「<音>研究―九州・教育篇」を開催した。その成果が「水月」創刊号に結実している。 そして、最終的に環境教育と文学教育を結ぶための、新しい方法として、文学サウンドマップを提示することができた。それについては、小島・大國が日本環境教育学会にて口頭発表を行い、また、大國が「<文学サウンドマップ>をつかった教育方法の可能性」を論文としてまとめて「水月」創刊号に投稿した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究の目的であった、新しい教育方法を提示することは出来、それに関する口頭発表も、論文発表もおこなった。しかし、環境と音に関する調査についての方針の変更をおこなったことにより、やや結論としてまとめることが遅れてしまい、3月末日に刊行する予定であった雑誌と著書との刊行が遅れてしまったため、やや遅れているとした。しかし、雑誌は4月30日に刊行しており、また、著書についても校正を進めているので、この先は順調に進むと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
まずは、遅れてしまった著書についての刊行に尽力する。 そして、本研究の総合的なまとめの役割を担う「水月」を刊行することが出来たので、そこに掲載された論文などの成果を世に問い、更に修正や補足などが必要な部分について、更なる研究、分析を進めていく。 更に、小説に見られる<音>の抽出という作業を行ったことを踏まえて、さらにその<音>の役割について、内容を範疇化しながら、環境との関わりについても配慮しつつ、分析を進めていく。具体的には、両国にてサウンドマップを行う予定がある。 また、提示した新しい教育方法のひとつ「文学サウンドマップ」の使用法や有効性についても、さらに精査していく。
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Causes of Carryover |
環境と音に関する調査研究の方法について、軌道修正をおこなったことにより、スケジュールがやや遅れてしまい、研究成果として刊行する予定であった雑誌と著書の刊行に遅れが生じてしまったため。現在は順調に進んでいる。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
雑誌と著書という成果物の刊行。それらで問うた研究についての深化、具体化とその有効性について更に研究をすすめていく。調査に必要な複写代や旅費などにも使用する予定である。
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