2012 Fiscal Year Research-status Report
IRマインドを涵養する評価人材の育成プログラムの構築に関する研究
Project/Area Number |
24530988
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
嶌田 敏行 茨城大学, 評価室, 助教 (00400599)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小湊 卓夫 九州大学, 基幹教育院, 准教授 (30372535)
関 隆宏 新潟大学, 企画戦略本部評価センター, 准教授 (30380546)
佐藤 仁 福岡大学, 人文学部, 准教授 (30432701)
浅野 茂 神戸大学, 企画評価室, 准教授 (50432563)
大野 賢一 鳥取大学, 総合メディア基盤センター, 准教授 (90314608)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 大学評価 / IR / 大学経営 / 人材育成 / 「国際研究者交流」アメリカ合衆国 |
Research Abstract |
本研究の目的は、各大学の運営の高度化を支える評価人材、IR人材の育成プログラムの開発である。平成24年度は6回の研究会を開催し、前年度に実施した「データ収集」(パイロット研修)の次の段階である「データ分析」に関する研修コンテンツの研究開発を行い、実践を行った。 平成24年9月に神戸大学の協力のもと「大学評価担当者集会2012・第一分科会「評価とIR:データ分析編」として全国の評価担当者やデータ分析担当者およびシステム開発業者などの参加者80名に対して評価人材、IR人材として行うべきデータ分析の方法について、考える上での枠組みの説明を行った上で、実際に班ごとに「データ分析」の行い方について議論を行ってもらった。 この研修では、我々は、架空の大学の目標と計画、自己評価書と大学概要を用意した。その架空の大学の事例の中には、多くの大学が抱えるであろう普遍的で時宜を得ていると思われる課題を盛り込んだ。全国の大学の評価やIRの現場の担当者らの経験を活かした十分な議論や、活きた知見が付与されることで、「データ分析」の演習素材が、単に理論的な枠組みの話ではなく、現場の実践力が加わった研修コンテンツにすることができた。 11月には研修コンテンツをまとめwebサイトで公開を行い、研究メンバーで翌年2月に分析作業のガイドラインとしての整理も行った。これらの成果は、全国の評価担当者や大学教職員、米国のIR担当者やコンサルタント、システム開発業者などが会員となっている大学評価コンソーシアム(会費無料)のメンバー200名以上にメール等で配布した。なお、研修会自体のアンケート結果は、「満足」もしくは「やや満足」と回答した参加者の割合が、全体の89%に及んでいる。 このような取り組みは、実践的な評価人材、IR人材に求められる能力について最初の定義を行い口頭発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の研究活動によって、人材育成プログラムを、1)評価人材、IR人材の能力定義、2)導入編(日本の大学における評価とIR)、3)研修コンテンツ1「データ収集」、4)研修コンテンツ2「データ分析-データから情報へ-」、5)研修コンテンツ3「情報を改善に活かす」の5つのパートで構成させるという基本設計を行い、「意思決定支援人材のためのハンドブック」としてまとめることとした。 また、各パートの進捗具合を全体の達成度と同じ評語で示しつつ状況を記述する。1)[能力定義]については、最初の定義を行い大学教育改革フォーラムin東海2013(於:名古屋大学)で口頭発表を行ったものの能力定義と研修コンテンツとの関連づけが、現時点で不十分である。定義のためには、項目と段階の定義を平成25年度中に行い、最終的なプログラム化の際には、明確な関連づけを行いたい(評価3)。2)[導入編]については、平成24年度内に初稿を出す計画であったが完了しなかった。平成25年度には、導入編のテキストを用いて研修を行うため8月までに作成する(評価3)。3)[データ収集]については、プログラム化の過程で研修コンテンツとしてのとりまとめを行う予定であったが、前倒しで作業を進めガイドラインとしての公表を行った(評価1)。4)[データ分析]についても今年度、コンテンツ開発、研修の実施、理論と実践の融合を行い公表済みである(評価1)。5)[改善支援]については、平成25年度に実施予定である(評価なし)。 これらの状況を踏まえ、本研究は、「(2)おおむね順調に進展している。」と考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度については、今年度と同じように8月下旬に神戸大学の協力で大学評価担当者集会2013として、評価人材・IR人材の育成研修を実施することが決まっている。そのために研究会を開催し、大学の運営や教育研究の改善支援のために期待される評価人材やIR人材の能力やスキルを涵養するような研修コンテンツを開発する。 また、IR先進国の米国において開催される米国IR協会の年次大会に出席し、米国のIR人材の育成について調査を行う。その際には、米国のIR事情に詳しい(実際に米国の大学のIR部門で勤務する)研究協力者を会場に招聘し、調査の有効性をさらに高めるための支援をしてもらう予定である。加えて、当該連携研究者を8月下旬の大学評価担当者集会2013に招聘し、米国のIR実践経験を人材育成プログラムに活用する予定である。 平成26年度は、コンテンツ開発は完了しているため、プログラムとしてのとりまとめ、実践、更なる肉付けを行う。そのため研究会の開催、研修会の開催、米国調査などを予定している。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
以前に提出した目的や研究計画、このような推進方針に従い、平成25年度においても旅費を中心に研究費を使用する。研究会の開催、研修会の開催のために国内旅費を使用し、プログラム開発、コンテンツ開発のために十分な議論を行う。 また、海外調査(米国)の実施、および研究協力者の招聘(米国内、米国→日本)を行うことで、コンテンツをより高度なものにし、有効性の高い人材育成プログラムの構築を進めていきたい。
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Research Products
(10 results)