2014 Fiscal Year Annual Research Report
大学及び学協会における産学連携に伴う組織としての利益相反に関する調査研究
Project/Area Number |
24530989
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
新谷 由紀子 筑波大学, 利益相反・輸出管理マネジメント室, 准教授 (40333281)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菊本 虔 筑波大学, 名誉教授 (50284229)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 利益相反 / 組織としての利益相反 / 産学連携 / 研究倫理 / 大学 / 学協会 / 米国の利益相反 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成24年度は、産学連携に伴う組織としての利益相反マネジメントを含め、特に、学術の世界における状況を把握するために、日本の主要な大学及び学協会を対象として利益相反マネジメントに関する実態調査を行った。この結果、特に大学においては、組織としての利益相反について十分に認識して利益相反マネジメントを実施しているところは、極めて少ない状況であることが判明した。 平成25年度には、引き続き、欧米先進諸国の大学や学協会における組織としての利益相反マネジメントを含む利益相反マネジメント状況の把握を行うためのアンケート調査を実施するとともに、一部インターネット調査を実施した。平成26年度は、前年度に引き続き、さらにインターネット調査を実施することにより実態を把握することとした。調査の結果、米国等の大学における利益相反マネジメントは、制度としては大きく次のように分けることができることがわかった。 ①米国公衆衛生局(U.S. Public Health Service: PHS)助成研究、②PHS以外の政府助成研究、③政府ではない外部の助成研究(公立大学で多い)、④ヒトを対象とした研究、⑤通常の研究(①~④以外)、⑥研究以外(事務業務等対象) やはり米国では先進的に利益相反マネジメントに取り組んでおり、多くの大学では、PHS規則を中心に、大学協会や政府等が作成している各種ガイドラインを参考にしながら利益相反ポリシー等を制定している。組織としての利益相反に関しては、米国で医学分野の研究における利益相反問題に関する世論が厳しくなりつつあり、ヒトを対象とした研究における組織としての利益相反について極めて詳細に定めている大学も見られる。 今後は、米国の状況等も参考にしながら、日本の大学等で実際に有効な利益相反委員会等の運営のための資料や教員等の研修指導資料等の作成に取り組んでいくこととしたい。
|
Research Products
(6 results)