2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24531027
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Research Institution | Seirei Christopher University |
Principal Investigator |
成松 美枝 聖隷クリストファー大学, 看護学部, 准教授 (40440812)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅野 文彦 静岡大学, 教育学部, 教授 (30216288)
梅澤 収 静岡大学, 教育学部, 教授 (90223601)
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Keywords | 国際研究者交流 / 教師教育 / 教員養成 / 現職教員研修 / 教員評価 / 教育課程 / 効果性(Effectiveness) / 質の高い教員 |
Research Abstract |
「高い適格性を持つ教師(Highly Qualified Teachers)」を確保するためにアメリカの大学は教師教育においてどのような改革を進めているのか、本研究ではウィスコンシン州立大学を事例にして調査を進めてきた。特に(1)教員養成のための教育課程の運営体制と(2)現職教員に対する免許更新に伴う「職能開発計画(Professional Development Plan)」の支援事業に注目してきたが、今年度は昨年度の調査で明らかになった連邦政府による集権化政策としての「Race to the TOP(RTTP)」とNCLB法の下での生徒の成績達成義務の「猶予(Waiver)」がウィスコンシン州内の教師教育にもたらした影響について、平成25年9月2日-5日の日程で調査を進めた。 学部での教員養成については、特に2014年度より州内全ての教員養成機関で導入されるTPA(Teaching Performance Assessment)の実験的導入の影響に関して、学部教員の理解をインタビュー調査すると同時に、州法ACT166の下での教職課程修了生に対する「TPAの成績結果も含めた情報開示」の要件について、大学側としてどのように理解しているのか、学生の個人情報保護面に問題はないのかなど質問調査を行った。その結果、情報保護については学生の個人を特定できるような情報は公開しておらず、州法の情報保護規定に沿って実施していること、他校との成績比較は確かに不安だが、入学者・在学生に対して、大学の教育の質を証明する機会となるのでそれほど問題視されていないことが分かった。 現職教員の研修では、州法ACT166による新たな現職教職員評価制度の導入が大学内の教師教育に与える影響について、テストデータの信頼性の問題等もあり、現状による導入には賛成できないとしている。以上のことが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度は「研究の目的」のうち、第1の「教員養成の教育課程改革の実態」について、特に平成26年度より本格的に導入される学生を対象とした指導評価制度(Teaching Performance Test)と学生の成績公開についてその運営の実態が明らかになった。第2の「現職教職員の評価制度」については、生徒のテスト成績を教員評価の50%の評価項目とすることに関して、特に教員組合と州教育行政局の間でどのような合意形成があったのかを中心に調査を進めることができた。これらの調査結果については、平成25年9月に実施された日本教師教育学会大会と、平成25年10月の教育行政学会大会の自由研究の部で発表を行った。大会会場でいただいた講評をもとにさらに検索をすすめ、発表内容を投稿論文にする予定である。 さらに、平成26年3月には、ウィスコンシン州立大学より教師教育学科の教授を招聘して「日米教師教育改革シンポジウム」を開催して米国の教師教育改革を題材とする講演会を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度はこの2年間の調査研究を総括し、「ウィスコンシン州の教師教育改革」の調査結果を報告集にまとめたい。また、大学研究機関との連携体制を通して連邦政府の集権化政策のもとで進められてきた教師教育改革の現状を、州立大学の学生や教職員たちはどのように受け止めているのか、現地の学生と教職員を対象にしてアンケート調査を実施する予定である。 さらに調査内容については投稿論文等で講評をいただき、結果を論文化して公表できるようにしたい。日本教育学会、教師教育学会でも内容を発表する予定である。また、平成27年の2月27日に開催予定のアメリカ教師教育学会にも「米国・日本の教師教育改革」の比較的視点ということで発表にエントリーしたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度の残金分としての研究代表者(40440812)の62,594円は、購入を予定していた書籍が廃刊になっていたため購入できずに生じたものである。平成26年度の旅費に使用する計画である。また、研究分担者(30216288)の残金分205,059円は、同時期に別機関から研究費支給が生じたため残額となったものである。 平成25年分の残金額について、研究代表者(40440812)の62,594円は、平成26年度の旅費に使用する予定である。研究分担者(30216288)の残金分205,059円は、平成26年度の物品費に使用する予定である。 平成26年度はこれまで調査を進めてきたウィスンコンシン州の教師教育改革において、新たに導入された制度の導入後の効果と、教育関係者、学生などの導入に関する意識調査を実施する予定である。またこれまでの調査研究結果を総括しつつ、日本教育学会、日本教師教育学会、海外の国際学会でも結果を公表する予定であるが、平成26年度の直接経費請求額は、海外調査のための旅費と謝金、国内・海外学会の参加費と渡航費に必要なものである。
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Research Products
(3 results)