2013 Fiscal Year Research-status Report
観察・コミュニケーション能力指標の構造化による幼小縦断科学教育カリキュラムの開発
Project/Area Number |
24531037
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Research Institution | Osaka Ohtani University |
Principal Investigator |
小谷 卓也 大阪大谷大学, 教育学部, 准教授 (50411484)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長瀬 美子 大阪大谷大学, 教育学部, 教授 (50247889)
田中 伸 大阪大谷大学, 教育学部, 准教授 (70508465)
峯 恭子 大阪大谷大学, 教育学部, 講師 (90611187)
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Keywords | 幼小接続 / 観察スキル / コミュニケーションスキル / 幼児期の科学教育 / 低学年児童期の科学教育 |
Research Abstract |
本研究の2013年度研究実績の具体的な内容は、以下の通りである。 (1)3歳児からの5歳児の対象の「幼児期のかがく」の実験的保育モデルとして以下の8つを開発し、以下の3つの公私立の幼稚園で実際に実施した。富田林市立錦郡幼稚園では「土遊び(4歳児)」(2013年12月2・16日実施))・「ものの切り口のかたち遊び(4歳児)」(2014年1月9日実施)・「ものの長さ比べ遊び」(2014年1月17日実施)、狭山市立南第二幼稚園では「タッパーに音玉を入れた音遊び(4歳児)」・「色水遊び(5歳児)」(いずれも2013年11月18日実施)、御幸幼稚園では「土遊び(3歳児)」・「ものの溶け方遊び(4歳児)」・「弦を用いた音遊び(5歳児)」(いずれも2013年11月2日実施)を行った。 (2)小学校第1学年及び第2学年対象の「低学年児童期のかがく」の実験的授業モデルとして以下6つを開発し、私立はつしば学園小学校において実施した。6つの実験的授業モデルは、「空気のかがく(小学校2年生)」・「土のかがく(小学校1年生)」(いずれも2013年6月実施)、「電気のかがく(小学校2年生)」・「音のかがく(小学校1年生)」(いずれも2013年10-11月実施)、「ものの溶け方のかがく(小学校2年生)」・「ものの溶け方のかがく(小学校1年生)」(いずれも2014年2月実施)である。 さらに本研究の成果は、「大阪大谷大学 教育研究第39号(2014)」、「幼児教育実践研究センター紀要 第4号(2014)」、さらに共著本「幼児教育におけるカリキュラム・デザインの理論と方法(長瀬美子、田中伸、峯恭子編著 小谷卓也、 他、風間書房)」(2014)において公表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2013年度の本研究の目的及び計画は、(1)の認知特性の分析結果に基づいて、プロセス志向型科学教育カリキュラムを策定する、(2)このカリキュラムを研究協力校園で実践し、研究成果を国際学会で発表することであった。 (1)については、研究協力校園(小学校1校、幼稚園3園)において、幼小接続型科学教育カリキュラムの開発・実施を行った。この結果、「研究実績の概要」の所でも述べたように「幼児期のかがく」の保育モデルを公立幼稚園1園において5つ、私立幼稚園1園において3つ、私立小学校において6つの計14個のプログラムを開発・実施しすることができた。これら実践の記録データは、抽出幼児及び抽出児童の「観察」及び「コミュニケーション」場面を中心に、その認知特性についてカテゴリー分析を行っている状況である。 (2)については、日本保育学会・日本乳幼児教育学会等の国内の学会及び環太平洋乳幼児教育学会(PECERA)の国際シンポジウムに参加し、その成果を発表した。また、幼児期~低学年児童期の科学教育を行う研究者や先進的実践者と交流し、最新の知見を得ることができた。 以上の理由から、2013年度の本研究の目的は、概ね達成できたと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
2013年度の研究結果を基に本研究の2014年度計画では、以下のような研究方策を構築した。これらの研究の成果については、国内外の学会等で発表していく予定である。 (1)2013年度に開発した計14個の幼児期及び低学年児童期のかがくの保育(授業)モデルを実施した際に得られた抽出幼児及び抽出児童の思考過程のデータを「観察」及び「コミュニケーション」の観点から分析し、その認知特性を明らかにしていく。 (2)(1)の認知特性の分析結果を用いて、幼児期及び低学年児童期のかがくの保育(授業)モデルをさらに修正・改良したり、新たなモデルを開発していく。 (3)改良されたカリキュラムを研究協力校園で実践し、抽出された幼児及び低学年児童の「観察」及び「コミュニケーション」能力の年齢による特性の違いを明らかにしていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
・年度末に予定していた研究協力校園での研究授業(保育)が来年度に持ち越しとなったため、それに関わる実験教材購入費及び研究補助(データ記録・加工・整理)の謝金の支出がなくなったため。 ・年度末に実施できなかった研究協力校園での研究授業(保育)を新年度に実施し、それに関わる実験教材購入費及び研究補助(データ記録・加工・整理)の謝金の支出を行う予定である。
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Research Products
(7 results)