2013 Fiscal Year Research-status Report
教師としての成長を授業実践力の視点から把握する実証的方法に関する研究
Project/Area Number |
24531107
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
高木 幸子 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 教授 (70377175)
|
Keywords | 授業実践力 / 実証的方法 / 教師の成長 |
Research Abstract |
本研究の目的は、教員養成において重視すべき実践的指導力を抽出するために、教師としての成長を授業実践力にかかわる力量形成の視点から把握する実証的方法論を構築することである。研究は、授業実践の質に影響を及ぼす教材や教授方略など良否の違いを把握する方法の検討(理論研究)、卒業後6~8年程度経た教員の、勤務校での授業データの収集(実証的研究:事例研究)、異なる熟達ステージに属する学生、教員による共通教材を用いた授業実践データの収集と比較(実証的研究:比較研究)の3つの内容で構成している。 研究2年目は、次の3つの内容を実施した。「①授業実践の良否に影響をおよぼす発話や教授行動、教材や教授方略に関する文献の収集」については研究1年目に引き続き行ったが、教材の良否に関して論じているものが少数であったため今後も収集を行う。「②卒業後6~8年程度を経過した追跡対象者の勤務校授業を観察しデータの収集を行うこと」については、2名の授業を観察しデータの収集を行った(授業観察日:平成25年6月7日、平成25年9月27日)。「③学生と熟練教員との実施授業データの比較・分析」については、大学4年次生が公立小学校で実施した授業を熟練教員が再構成して実施した授業、計12時間分のデータを収集した。 以上の研究成果は、口頭発表1件、論文2件、報告書1件として公表した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究段階で予定していた内容(事例研究、比較研究)は数は多くないが実施できている。追跡対象者の複数が育休・産休休暇に入っており、授業観察やデータ収集は計画通りには進んでいない状況である。しかし、収集数の減少は分析の精度を高めることで対応することは可能である。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究3年目(平成26年度)も、2年目と同様に、卒業生の勤務校での授業データの収集と学生と熟達教員の授業との比較データの収集を行う。なお、卒業6~8年目に該当する追跡者が産休・育休に入っているために収集するデータが不足すると考えられた場合への対応方策として、卒業後の年数の幅を広げて柔軟に対応することを検討する。また、卒業生が学生時代に作成した教材を改めて熟達教師に依頼する計画に示した方法だけでなく、現在在籍している学生が行う授業や使用教材を基にして熟達教師に依頼する方法も含め、比較研究用のデータを収集する予定である。論文や文献は継続して収集する。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
実証的研究(事例研究、比較研究)のための授業観察の本数が計画よりも若干少ないため。また、研究1,2年目に蓄積した授業データの分析を始めたところであるためアルバイト代の執行額が計画段階よりも少なくなった。 実証的研究(事例研究、比較研究)のための授業観察の本数を増やすことにより旅費の増加が見込まれる。また、研究1,2年目で授業データの蓄積ができているので、その分析を進めるためのアルバイト謝金が増える。さらに、分析が進むことによる成果の発表のための学会発表等の旅費も増える予定である。
|
Research Products
(5 results)