2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24531135
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
福田 隆眞 山口大学, 教育学部, 教授 (00142761)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 宰 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (40261375)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | アジア / 美術教育 / 台湾 / 韓国 / シンガポール / インドネシア / マレーシア |
Research Abstract |
平成24年度は、韓国、台湾、シンガポール、インドネシアの実態調査を行った。当初の計画ではマレーシアを予定していたが、教育課程の改訂中なので、調査時期を来年度以降に変更し、代わりにシンガポールと台湾の調査を実施した。 韓国においては、京仁教育大学と淑明女子大学において初等中等美術教育の教育課程と実際について調査を行った。さらに近代の韓国美術の表現の流れをソウル市立美術館、国立韓国博物館において調査した。現在、韓国中等教育の美術教科書教材を分析している。台湾においては、国立台北教育大学の北師美術館において近代美術教育の変遷を調査し、高雄市立美術館子供美術館において初等教育における美術教育の実態調査を行った。 シンガポールでは新しい教育課程で美術教育が実施されている文脈において、統合的カリキュラムによる新設の芸術高校の教育内容を調査した。 インドネシアにおいては、教育省とジャカルタ州立大学、ジャカルタ美術館において実態調査を行った。教育省では、現在改訂中の教育課程の全体方針と現行教育課程の概要、および初等中等美術教育教科書の調査を行った。ジャカルタ州立大学では、教員養成における美術教育の内容調査を行った。さらに美術教育の基盤となるインドネシアの美術史について工芸を中心とする資料を収集した。また、ジャカルタ美術館において、近代絵画の変遷と美術家と美術の様式についての資料収集を行ない、近代の歴史の文脈での美術教育の検討を行った。また、平成25年度の実態調査のための事前調査としてベトナムの中等美術教育の教材分析を行った。さらにシンガポールとマレーシアについては福田が「アジアにおける視覚言語による美術教育の展開―シンガポール、マレーシアの事例―」(山口大学大学院東アジア研究科博士論文、2012)としてまとめた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度は調査対象地域の一部変更はあったが、概ね順調に進んでいる。シンガポールとマレーシアについては、従前の研究も生かして、視覚言語による美術教育の展開の事例としてまとめた。また、シンガポールについては、新たな高等学校での統合的カリキュラムの調査を開始し、シンガポール社会における美術教育の文脈を明らかにしようとしている。また、マレーシアは現在、教育課程を年次進行で改訂中なので、今後の調査を要している。 インドネシアについては、教育課程、教科書を入手し、さらに教員養成における実情の調査を行ったことで、今後の研究を十分に進めることが可能となった。現在、インドネシアの美術的基盤と教科書における教材について分析を行っている。 新たにベトナムにおける中等教育の美術教育の文献調査を開始したので、平成25年度に継続して実態調査を行う。韓国においても新しい教育課程に基づく中等教育の教材分析を開始したので、平成25年度に継続する。平成24年度に実態調査、文献調査した地域については、社会における美術教育の文脈について明らかになってきており、本研究の目的を順調詩進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
シンガポールについては、現代美術と美術教育の関連を調査することで社会における美術教育の意義を明らかにする。マレーシアについては、改訂中の教育課程を調査することで新たな美術教育の位置づけを明らかにする。ベトナムについては実態調査を実施し、基盤となる美術文化と美術教育の関係を明らかにする。タイにおいては、平成25年度から調査を開始し、教育課程、教材研究、文化的基盤について実態調査と文献調査を行う。韓国においては、新しい教育課程での教育内容の調査を行い、現代美術との関連、伝統文化との関連を明らかに、美術教育の社会的文脈を把握する。 台湾については、学校教育での「芸術と人文」の学習領域を実施して10年になるので、教育実践における美術教育の意義を明らかにし、同時に、伝統文化との関連を明らかにする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度において実施できなかった実態調査があり、研究費を47万円繰り越すこととなった。本年度は韓国、台湾、ベトナム、タイ、マレーシア、インドネシアの実態調査を実施する。ベトナム、タイの実態調査においては、通訳、翻訳の謝金を使用する。また、調査地域での資料購入において経費を使用する。
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Research Products
(3 results)