2014 Fiscal Year Annual Research Report
産科シミュレーターによる助産師学生への効果的な会陰保護技術トレーニング方法と評価
Project/Area Number |
24531195
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
井関 敦子 三重大学, 医学部, 准教授 (10363201)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石村 久美子 香川県立保健医療大学, 保健医療学部, 教授 (90280073) [Withdrawn]
吉留 厚子 鹿児島大学, 医学部, 教授 (40305842)
今井 奈妙 三重大学, 医学部, 教授 (90331743)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 分娩介助 / 助産師教育 / 分娩介助モデル / 会陰保護・肛門保護 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は研究の最終年度として、すべてのデータをとりまとめ最終的な分析を行い、最終報告書の作成に向けて作業を行った。 26年度も助産師学生6名に対して、ソフィーによる訓練後(実習前)と実習後に調査を実施した。ソフィーによる訓練の有用性・効果として「小斜径周囲で児頭を娩出させる感覚」「短息呼吸を促すタイミングを理解」「娩出力のコントロール感」が確認された。また有用性の理由として「分娩のイメージをつかむことができた」「実際の分娩にできる限り近い」「K社(他社)のモデルよりも現実に近い」「怒責のコントロールや児頭の把持には有効」「最少周囲径での娩出や急激な児頭の下降についての意識つけが実習前からできた」ということが明らかになった。しかし、ソフィーによる訓練の課題として「ソフィーの構造上、右手の会陰保護が十分に訓練できない」があった。また、教員の関与は学生の学習効果を高めることが確認された。26年度の質問紙調査結果は、過去2年間のデータと同様の傾向であった。 1施設の指導者2名を対象に調査を実施した。ソフィーの訓練効果についてソフィー導入前の学生と比較すると、26年度は「1~3例目、指導者が全力で助けずとも落ち着いて娩出できていた」「8~10例目、指導者の右手を添える程度で済んだ」「シミュレーションと現実との差は学生にとっての問題」との記述があった。卒業生と現役助産師学生の分娩介助10例については、肛門保護~躯幹の娩出の項目を得点化し、現在、分析中である。 ソフィーによる訓練効果について本研究を総括すると、ソフィーによる訓練は学生の分娩介助技術を向上させ、心理的準備を促し、産婦の利益となる安全な分娩介助実習に寄与できる可能性が高いことが確認された。しかし同時に課題として、会陰保護肛門保護が困難であり他のモデルと併用することの必要性と、教員が密に関わることの重要性が確認された。
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