2012 Fiscal Year Research-status Report
障害のある子どものきょうだいとその家族のQOL支援プログラムの開発
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24531241
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
阿部 美穂子 富山大学, 人間発達科学部, 准教授 (70515907)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | きょうだい支援 / ムーブメント教育 / QOL / 障害児の家族支援 / 子育て支援 |
Research Abstract |
1、きょうだいの子育て支援ニーズ調査: A県の小学生のきょうだいと親7組とB県の小学生~成人のきょうだい6名にインタビュー調査、B県の保護者36名に質問紙調査を実施した。その結果、①きょうだいの心理的問題、②同胞との関係の問題、③将来への不安、④地域や友人関係の問題、⑤親子関係の問題の5つのカテゴリーが見い出された。 2、支援プログラム開発のための研究:(1)事前に第1次調査済みであったイギリスのSibsにおけるきょうだい支援について連携研究者とともに分析し、特に心理的適応を目指した支援プログラムの効果と課題を明らかにした。(2)事前に研究協力者とともに実践した4名のきょうだい児に対する教育的支援プログラムの効果について分析し、新しく開発する支援プログラムに取り込むべき要素を明らかにした。(3)欧米を中心に公的な支援事業に取り入れられているSibshopについて、ファシリテータートレーニングワークショップを調査し、ファシリテーターの果たすべき3つの役割と求められる6つの資質を明らかにした。欧米とは異なる日本の特性に応じた支援プログラム開発やファシリテートの在り方を検討していく必要性が示された。 研究3 支援プログラムの構築と効果検討:上記の1,2に基づき、A県において支援プログラムの1つとして「きょうだい紹介ブックをつくろう」セミナーを考案し、上述の7人のきょうだいを対象に計7セッション実施し、効果を検討した。セミナーの内容は、①楽しいムーブメント活動、②同胞の障害理解学習、③「きょうだい紹介ブック」制作の3つである。特に③「きょうだい紹介ブック」制作ではきょうだい同士の意見交換をもとに分かったことや気付いた事をまとめ、保護者にコメントを記入してもらうようにした。実践の結果、参加したきょうだいの同胞に対する感情が有意な差をもって肯定的になり、心理的社会的な支援ニーズが減少した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
1、きょうだいの子育て支援ニーズ調査研究について、当初の予定では24年度内に障害のある子どものきょうだい本人とその親を対象に、A県とB県を中心に400組程度の質問紙調査を行う予定であったが、実際には、調査対象となる多数のきょうだい本人について、保護者の了解を得ることが困難な状況であった。そのため予定通りの対象者数による調査研究を実施することができなかった。現在のところ、回答への承諾を得られた40名程の対象者への予備調査を実施し、その内容を分析した段階である。 2、きょうだい支援プログラム開発のための調査として、当初の予定では、24年度内にイギリスにおいて実施されている支援プログラムに関する実地調査(第2次調査)を実施する予定であったが、訪問先の受け入れ調整が滞り、25年度に持ち越しになった。現在日程が確定し、訪問準備を進めている段階である。
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Strategy for Future Research Activity |
1、きょうだいの子育て支援ニーズ調査:24年度に得られた予備調査の結果に基づき、本調査を実施する。当初予定していた大規模数の調査が困難な場合を想定し、インタビュー調査を主として、事例性に着目したニーズ調査を計画実施する。対象は重度重複障害児のきょうだいとその家族を中心に約20名程度、富山県、神奈川県に加え、宮城県仙台市内に調査協力者を得られるように調整中である。調査内容については、連携研究者及び研究協力者と予備調査結果を再分析して決定する予定である。 2、きょうだいとその家族支援プログラムの構築と効果検討:富山大学を会場として障害のある子どものきょうだいとその家族のための支援セミナー「ジョイジョイクラブ」を開催し、きょうだい児とその家族に対する支援プログラムを作成、実践する。きょうだい・障害のある同胞・親グループに分け、きょうだいには障害理解と心理教育プログラムを、親グループにはペアレント・トレーニングプログラムによる子育てスキルアップを組み込む。併せて家族全体の関係構築のため、家族がそろって参加できるムーブメント遊びプログラムを取り入れ、10月以降に計8回程度のセミナーを開催する予定である。参加前と参加後にアセスメントを行い、変化を確認する。きょうだいについては同胞への感情、親子関係の変化について比較検討する。親については、子育て感情の変容や、活動内容に関する満足度について調べる。予想される問題への配慮として、実践活動を伴うので、地域の子育て支援従事者や支援者を目指す学生らで活動スタッフを組織化し、趣旨を共通理解した上で、安全管理のもと実施するものとする。 3、きょうだい支援プログラム開発のための調査:イギリスにおいて実施されている支援プログラムに関する実地調査(第2次調査)を実施する。調査時期は9月上旬を予定している。得られた内容は、上記2のプログラム内容作成の資料とする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
1、物品費 730千円(内訳、①データ収集と処理のためのノートパソコンと資料作成用ソフトウエア、②実践活動で使用するムーブメント遊具、③効果測定用の各種アセスメント用紙と手引き、④実践記録のためのビデオカメラ、ビデオカメラバッテリー、三脚、ビデオ編集用ソフトウエア、録画保存用ハードディスク、⑤資料印刷用のプリンター、インク、用紙、及び各種文具、⑥参考資料用図書) 2、旅費 471千円(内訳、①研究協力者との打ち合わせ、②イギリスでの調査) 3、人件費 443千円(内訳、①アンケート及びインタビュー調査の集計入力、②セミナー開催補助) 4、その他 262千円(内訳、①通信切手代、②複写費、③会合費 他)
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Research Products
(7 results)