2012 Fiscal Year Research-status Report
聴覚障害児の言語力に対応した遠隔字幕配信システムの提案
Project/Area Number |
24531249
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
中野 聡子 広島大学, アクセシビリティセンター, 特任講師 (20359665)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金澤 貴之 群馬大学, 教育学部, 准教授 (50323324)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 聴覚障害児 / 通常学級 / 情報保障 / パソコン要約筆記 / 遠隔字幕配信システム / リライト文 |
Research Abstract |
本研究の目的は,遠隔字幕配信システムを初等・中等教育段階にある聴覚障害児に適用化するため,言語学習・授業理解支援機能を併せ持つ字幕入力方法の構築を行うことである。 本研究初年度となる平成24年度は,以下2つの研究を遂行した。 1.通常学校に在籍する聴覚障害児の保護者から授業時の情報保障やコミュニケーションの伝達、学力等に関する課題についてニーズを収集。2.国語の指導等で用いられるリライト文の加工方法,リライト文を用いた指導,要約文の特性,要約の技術・評価,聴覚障害者の情報保障の1つである要約筆記(手書き,パソコン)に関する研究について文献を収集した。3.発話を即座に処理しつつ入力してゆくという作業の特徴をもつパソコン要約筆記において,聴覚障害児の言語力に即した要約入力文の特徴を把握するための実験に着手した。実験の詳細は下記のとおりである。 (1)対象者:教育学部に在籍する聴覚障害を持たない大学生。15名程度を予定。(2)入力課題文:リライト教材集,要旨要約問題集等に集録されている題材から10編を選び,1つの課題文につき,449~645文字で抽出した。適宜自然な話し言葉になるように表現を変えて,180~200文字/分の速度で読み上げ,音声ファイルを作成した。(3)記録方法:対象者の要約筆記入力とその記録には,フリーソフトとして配布されてい る「IPTalk」と「IPCapture」を使用した。1台のPCに上記2つをインストールして使用している。(4)手続き:対象者は入力課題文を聞いて,小学校高学年レベルの言語習得段階にある聴覚障害児が情報保障を受けると想定しPC要約筆記を行う。また,統制群の対象者は聴覚障害大学生が情報保障を受けると想定しPC要約筆記を行う。入力課題文はランダムに音声再生される。なお,入力はすべて1人で行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
平成24年度の研究計画は、(1)遠隔字幕配信システムの運用について聴覚障害児の教育的ニーズの洗い出し、(2)教育的ニーズに即した字幕入力方法の検討を行うことであった。 (1)については、通常学校に在籍する聴覚障害児の保護者から授業時の情報保障やコミュニケーションの伝達、学力等に関する課題についてニーズを収集した。(2)については、主に文献研究として、国語の指導等で用いられるリライト文の加工方法,リライト文を用いた指導,要約文の特性,要約の技術・評価,聴覚障害者の情報保障の1つである要約筆記(手書き,パソコン)に関する先行研究から、聴覚障害児の言語力に配慮した要約筆記を行うにあたってポイントとなりそうな観点の整理を行った。 これに加えて、(1)と(2)の成果をもとにして、平成25年度の研究計画の一部であるリアルタイム入力での字幕入力者の作業について予備的に検討するために、実験に着手した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は、リアルタイム入力下において、聴覚障害児の言語力に即した入力文の特徴を明らかにするための実験を対象者の人数を増やして行い、入力文について分析を進める。形態素解析のほか、詳細な入力過程に着目し、キーワードの入力タイミングや、入力文の構造、入力ミスをのぞく修正過程等を原文とのタイムラグを比較しつつ行う予定である。 また、通常学校に在籍する聴覚障害児の情報保障として学校からの要請があれば、遠隔字幕配信による情報保障を行い、入力方法を複数試して評価を行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
消耗品及び文献購入が当初の予定よりも少なかったため、次年度使用額が生じた。H25年度分と合わせ、遠隔通信のためのSIM等、消耗品の購入にあてる。
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Research Products
(3 results)