2013 Fiscal Year Research-status Report
聴覚障害児の言語力に対応した遠隔字幕配信システムの提案
Project/Area Number |
24531249
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
中野 聡子 広島大学, アクセシビリティセンター, 特任講師 (20359665)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金澤 貴之 群馬大学, 教育学部, 教授 (50323324)
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Keywords | 聴覚障害児 / 通常学級 / 情報保障 / パソコン要約筆記 / 遠隔字幕配信システム / リライト文 |
Research Abstract |
本研究の目的は,遠隔字幕配信システムを初等・中等教育段階にある聴覚障害児に適用化するため,言語学習・授業理解支援機能を併せ持つ字幕入力方法の構築を行うことである。 平成25年度は,初等・中等教育段階にある聴覚障害児を支援対象としたパソコン要約筆記を行う場合,どのような要約手法や要約上の工夫をとることができるかを明らかにする実験について,結果の分析と考察を行った。聴覚障害児を支援対象と想定したパソコン要約筆記の入力文では,原文や大学生を想定した入力文と比較して1文あたりの文字数が少なく,「省略」,「言い換え」,「統合・圧縮」の要約手法が多く用いられていた。「言い換え」については,理解困難が想定される字音語や,それらを含む語句,比喩的要素をもつ慣用句などについて,より平易で具体的にイメージしやすい表現に置き換えられていることが多かった。また,「統合・圧縮」が行われる際には,同時に「省略」や「言い換え」も行われていることが多いことが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度以降の研究計画は,利用者・支援者の立場での検証・評価と改善案およびマニュアルの策定を行うことである。実際にリアルタイム入力下における要約文について,可能な要約手法や要約上の工夫が明らかにされたことで,初等・中等教育段階にある聴覚障害児向け要約筆記支援の改善案・マニュアル策定への道筋がついた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は、これまでの研究で明らかになった要約筆記スキルを整理し,それらに基づいて要約度をいくつかの段階に設定したリアルタイム入力下における要約文について,聴覚障害児の理解度の調査および評価を行う。理解度については,要約文提示後の理解度確認テストを行う。また,要約文の評価については,「読みやすさ」「理解のしやすさ」「共感しやすさ」「臨場感の伝わりやすさ」についてSD法による印象評価実験を予定している。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
打合せの回数が予定よりも少なかったため、次年度使用額が生じた。 平成26年度分と合わせ、成果発表を行うための旅費として使用する予定である。
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Research Products
(2 results)