2014 Fiscal Year Annual Research Report
食事管理を必要とする慢性疾患患児に対する保育所・学校の給食整備に関する研究
Project/Area Number |
24531270
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Research Institution | Kobe Women's University |
Principal Investigator |
佐藤 誓子 神戸女子大学, 健康福祉学部, 准教授 (70360261)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 勝昌 神戸女子大学, 家政学部, 教授 (00142331)
梶原 苗美 神戸女子大学, 健康福祉学部, 教授 (10131541)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 給食 / 病児 / 体調不良児 / 食物アレルギー児 / 食教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
食事管理を必要とする慢性疾患を有する子どもに対する,保育所・学校での給食実施の体制を改善することを目的とした。 1.最終年度に実施した研究の成果 主として,肢体不自由児が通学している特別支援学校における給食体制と,提供された給食の給与栄養量について検討した。その結果,特別支援学校の給食体制は,各校に任せられており,主に栄養教諭の資質に依るところが大きいことが分かった。児童への給食内容は,個々の児童の嚥下状態に対応しており,家庭で摂取する内容と同等のものを提供するため,保護者との情報共有が重要であることが明らかとなった。また,嚥下状態に応じた調理を行うために,使用する食材の選択に留意したり,種々の調理器具を活用したりして,再調理食を提供していた。給食の給与栄養量の検討結果では,嚥下が困難な児童への給与栄養量は,基本食を摂ることの出来る児童に比べて,エネルギーやたんぱく質,鉄,食物繊維が不足していた。これは,嚥下が困難な児童に提供する再調理食は,料理に加水してミキサーにかけるなどの調理をし,仕上がり重量を基本食とほぼ同様にしていることによるものと考えている。 2.研究期間全体を通じて実施した研究の成果 上記の成果以外は以下の通りである。多くの保育所は,食物アレルギー児に対する給食体制が整備され,代替食や除去食提供が行われていた。しかし,完全除去または解除の単純化には至っていない施設も多かった。今後,保育所や学校では食物アレルギー児の増加が予想されることを踏まえ,充分な個別対応とともに作業の効率化を検討する必要がある。保育所・特別支援学校の給食担当者は,食物アレルギー以外の病児・体調不良児に対しても児童の体調や身体機能を充分に把握し,これらに配慮した給食提供を行っていた。
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