2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24540062
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Research Institution | Miyagi University of Education |
Principal Investigator |
鎌田 博行 宮城教育大学, 教育学部, 教授 (00249799)
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Keywords | ニュートラル計量 / 四元数CR構造 |
Research Abstract |
交付申請書において以下の具体的な研究テーマを設定した: (A)超エルミート曲面のニュートラル版の幾何学 (B)自己双対ニュートラル計量の幾何学 (C)不定値端的ケーラー計量とそのアイソトロピック版の幾何学 (D)四元数CR幾何学 平成25年度は、平成24年度に引き続き,これらのテーマに関連する文献等や先行結果等の情報を収集し,それらの幾つかについて確認作業を行った。(A)については,研究の動機付けとなったダビドフ他の2009年に出版された論文と2012年に出版された論文、および関連する資料を集め,主な結果や研究の概要について幾何学研究会において総合報告的な講演を行った.なお,文献中の一部確認できなかった主張について考察している.(B)については,国内で開催された学会・研究集会に参加し,ルブラン・メイソン対応に関する講演を複数回聴講し,その研究の現状に関する情報を入手した.また,ニュートラル計量(および正定値計量)の自己双対性に関する結果についての情報収集と整理を行っており,例えば,正定値の場合のルブラン計量の対称性に関する本多他の最近の研究のニュートラル版として,トッド・鎌田計量の対称性に関する問題意識が今後の課題として想起された.(C)については,前年度に入手した不定値ケーラー計量の幾何学に関する文献に述べられている結果を一部確認した.(D)については,前年度に引き続き四元数CR多様体に対するツイスター空間の構成を試み,そのために必要な条件について,ビカールの四元数接触構造がその条件をみたすことは確認した.しかしながら,一般の四元数CR構造については超擬凸性を仮定した状況でも確認できていないことから.四元数CR構造の中でもモデルとする空間が許容する程度の強い積分可能性の下で考察している.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
申請段階における想定とは異なる状況が生じた結果,研究打合せの時間が少なくなってことに加えて,研究そのものに費やすことができる時間が予定より少なくなったことと,関連する結果の確認作業に予定以上の時間がかかっていることがあげられる.具体的には,申請時の研究目的にあげたテーマ(A)に大きく関係する論文が交付後の2012年に出版され,その論文の内容の確認作業を行う必要が生じ,実際に確認作業を行っている.ただし,幾つかの主張については現段階でも確認できていない.また,テーマ(D)について,予想される結果を導くのに必要となる確認作業は大きく2つのステップに分けられるが,最初のスッテップは比較的容易と考えていたところ,実際に計算してみると,その前半部分は確かめられたものの,残りの部分が確かめられずに時間がかかっている状況である.
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに入手した資料や得られた研究成果から,新たな研究の方向性がみえてきつつある.それらに加えて,幾何学をはじめとする諸分野で得られている結果のうち本研究に関係する情報等から,本研究テーマに利用できるアイディア等がないかどうか検討し,国内外の研究者を訪問・招聘し直接の意見交換を通じて,研究の方向性を確認しながら研究を進めていく.特に.合理的な作業仮説を設定したり,問題の単純化・一般化等の様々な試みの中から解決の手がかりを探っていきたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究代表者および連携研究者の学内外の事情により,予定していた研究打合せが実施できなかったり,日程を短縮する必要が生じたことがあり,研究打合せのための長期出張がほとんどできなかったことと,短期出張の回数もあまり増やせなかったことが理由としてあげられる. 研究打合せ・成果発表のための短期および長期の出張を活発に行うと共に,未入手の関連する文献等の資料の収集も合わせて行う.
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