2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24540062
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Research Institution | Miyagi University of Education |
Principal Investigator |
鎌田 博行 宮城教育大学, 教育学部, 教授 (00249799)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 四元数CR構造 / 強積分可能性 / ツイスター空間 / ツイスター概CR構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に引き続き、申請時にあげた4つのテーマのうち「(D)四元数CR幾何学」について考察を行った。四元数CR多様体は四元数多様体内の実超曲面が自然に許容する幾何構造として定義される。四元数CR多様体が超擬凸性と呼ばれる条件をみたすとき、適合する四元数エルミート構造の一つ選ぶ毎に、超擬凸性のもと存在が保障される標準接続を用いて、ツイスター空間上に通常の仕方と同様にトートロジカルに概CR構造を一つ定めることができる。このとき、四元数CR構造に適合する四元数エルミート構造は非零関数倍の任意性があるが、「強積分可能性」という条件があれば、ツイスター空間上には、適合する四元数エルミート構造の選び方に依らずに概CR構造(以下ツイスター概CR構造という)が定まることが前年度末までにわかっていた。しかし、ツイスター概CR構造が通常の意味で積分可能かどうか、つまりCR構造となるかどうかは不明であり、問題として残されていた。そこで今年度は、これまでの研究成果の発表を行うと共に、ツイスター概CR構造の積分可能性について考察した。具体的には、まず適合するレビ形式の形を水平リフトを用いて具体的に計算することによりツイスター概CR構造が部分的積分可能であることの再確認を行った。次に、ツイスター概CR構造に対するナイエンハウステンソルの計算を進めるために、垂直成分、水平成分に分け、さらに水平成分を2つの部分に分けて計算を試みた。結論から言えば、年度内にツイスター概CR構造の積分可能性は示すことはできなかった。ただ、幾つかの場合についてナイエンハウステンソルが消えることが示された。特に、標準接続の曲率が関係する部分については計算が複雑で、ナイエンハウステンソルが消えることは示せておらず、改めて実超曲面の例を観察した結果、前年度仮定した「強積分可能性」よりも強い積分可能性に関する条件の必要性が示唆された。
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Research Products
(2 results)