2012 Fiscal Year Research-status Report
超伝導におけるBCSギャップ方程式の解の温度依存性の解明
Project/Area Number |
24540112
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
渡辺 秀司 群馬大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (90222405)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齋藤 三郎 群馬大学, その他部局等, 名誉教授 (10110397)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 超伝導 / BCSギャップ方程式 / 温度 / 連続性 / 不動点定理 |
Research Abstract |
超伝導のBCSギャップ方程式に登場するポテンシャルが定数ではなくてエネルギーの関数となっている場合ですら、BCS理論などの超伝導の物理学や工学においては、BCSギャップ方程式の解が温度に関して連続であること、さらには、温度に関して微分可能であることなどが、数学的な証明なしで、依然として仮定されたままです。そこで、この方程式の解が温度に関して連続であることをある条件の下で、Banach の不動点定理を応用して証明しました。 まずは、温度とエネルギーの両方について連続な関数から構成されるBanach空間を採用して、BCSギャップ方程式の解がこのBanach空間のどのような閉部分集合に属するのかを予想し、解の空間を選定しました。次に、BCS ギャップ方程式から定まる非線形積分作用素が、これまでに得られた私の研究成果に立脚して、上の解の空間からそれ自身への縮小写像になっていることを、温度がある条件を満たすときに示しました。この結果として縮小写像に係わるBanachの定理が適用できました。このようにして、温度がある条件を満たすときは、BCSギャップ方程式の解がエネルギーのみならず温度についても連続であることが証明できました。 これらの研究成果が、数学解析学の国際的なトップジャーナルの一つに掲載されることが決定致しました。アメリカやヨーロッパにおいて行われた、この方面における数学的な先行研究では、解の温度に関する性質は、数学的な困難さ故に全く調べられておりませんでした。この意味で、私の研究成果は画期的であり、極めて重要であると同時に、極めて独創的です。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
超伝導のBCS理論で登場するBCSギャップ方程式におけるポテンシャルが定数ではなくてエネルギーの関数となっている場合において、BCSギャップ方程式の解が温度に関して連続であることを、温度に関するある条件の下で証明できましたため。さらに、その成果が数学解析学の国際的なトップジャーナルの一つに掲載されることが決定しましたため。
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Strategy for Future Research Activity |
超伝導のBCS理論で登場するBCSギャップ方程式の解が温度に関して連続であることを、温度に関するある条件の下で証明できました。この条件を満たす温度が、超伝導と常伝導とを分ける転移温度(臨界温度)まで拡張できるかどうかを検討します。 さらに、上述の条件の撤廃が可能かどうかを、最新の不動点定理の使用により、調べます。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
得られた研究成果を数学会、研究集会、国際会議などで発表します。また、昨年度から、不動点定理の専門家2名との研究交流を行っております。 以上の理由から、主に国内外での出張旅費として、研究費を使用します。
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Research Products
(6 results)