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2014 Fiscal Year Research-status Report

経路の形を緩和した車両配送問題の多項式時間で解けるクラス

Research Project

Project/Area Number 24540140
Research InstitutionKeio University

Principal Investigator

小田 芳彰  慶應義塾大学, 理工学部, 准教授 (90325043)

Project Period (FY) 2012-04-01 – 2016-03-31
Keywords組合せ論 / 離散数学 / 経路問題 / 整数の分割
Outline of Annual Research Achievements

まず,順列の均等2分割に関する結果をまとめた論文は雑誌に投稿中である.また,この結果を用いて証明した離散幾何学に関する定理については論文にまとめ,近日中に投稿予定の状態である.
今年度は,まず均等2分割を一般化した問題を考え,特に集合の均等3分割に関する結果を得た.これは,3色集合R,B,Wの要素数がいずれもmで,これらを混ぜ3つの集合X,Y,Zに均等に分けた場合,X,Y,Zをいずれも単色集合にするために必要な2要素の交換回数の評価を与えたものである.なおこの値が最善,すなわちこの値より少ない回数では単色集合にできない例も示すことができた.この結果は龍谷大学で開催された応用数学合同研究集会にて発表を行った.均等4分割については上限を与えることはできているものの,一般的な評価は難しいと考えている.
また,経路問題については,大学院生の長井氏と,頂点集合が均等に分割されている場合,各集合について通る頂点数に制約があるピラミッド型閉路の中で距離最小のものを求める多項式時間アルゴリズムを考案した.さらに,各頂点に重みを割り当てた際,各集合で通る頂点の重みの和に制約を与えた最短ピラミッド型閉路を求める多項式時間アルゴリズムも得た.この結果の系として,巡回購買人問題(Traveling Purchaser Problem)のある特殊な場合が多項式時間で解けることが導かれた.その後,このピラミッド型閉路を1つではなく,k個に分割した場合でもkを定数とすると多項式時間で解けることがわかった.これは車両配送問題において,必ずしもすべての頂点を通る必要がなく,いくつかの部分集合ごとにある種の制約がある場合の問題に対応している.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

テーマ1(経路問題(車両配送問題とその一般化問題)の多項式時間で解けるクラス)については,研究実績の概要で述べたように,頂点集合が均等に分割されていて各集合について通る頂点数に制約がある場合について解決することができた.すなわち,多項式時間アルゴリズムを考案することができた.
テーマ2(経路問題のアルゴリズムによる近似解法への適用)については,これまでに得られたアルゴリズムをそのまま適用するのは難しいと考えている.その理由として,これらのアルゴリズムが集合分割の仕方に強く依存していることが挙げられる.そこで,集合分割の取り方を変えた場合のアルゴリズムを考える必要があると思っている.
テーマ3(フリップによる交差の解消)については,集合の均等3分割については完全に解決したと考えている.継続して,均等k分割や平面上の凸状n点配置に関するフリップの問題に取り組んでいきたい.
以上のことから,本研究はおおむね順調に進展していると考えている.

Strategy for Future Research Activity

1.多項式時間で解けるクラス:今年度までに得られた結果をもとに,車両配送問題やその一般化問題について取り組む.
特に,車両配送問題,巡回購買人問題いずれについても,閉路の個数を定数と仮定することで多項式時間が保証されている.閉路の個数が頂点数に依存するほど大きい場合における(既存より速い)指数時間アルゴリズムや近似解法を考えることも興味深いと考えている.
2.計算機実験:種々の問題を解くアルゴリズムの実装を試みる.GPUコンピューティングとの相性も視野に入れた研究を行っていく.
3.フリップによる交差の解消:これまでの成果をふまえて,集合の均等k分割に関する問題,および平面上の凸状n点配置に対するフリップの問題について取り組む.
これまでに得られた成果について,昨年度までに行うことができなかった国際会議発表を行うことを予定している.また国内外での研究打合せ,各種研究集会での発表も予定している.

Causes of Carryover

諸事情により,海外での国際会議発表および研究打合せの機会が当初の計画より減少したため,未使用額が発生した.その結果,事業を完了することが難しくなった.なお,事情については問題が解消したため,次年度に海外出張および研究打合せを行うことが可能であり,平成27年度に使用できると考えている.

Expenditure Plan for Carryover Budget

上記で述べたように,実行できなかった海外での国際会議発表,研究打合せに主に使用する.その他には,それらで得られた成果をまとめるために必要な消耗品等の購入が適宜必要であると考えている.

  • Research Products

    (1 results)

All 2014

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 均等2分割の一般化とそれに関連する問題2014

    • Author(s)
      小田芳彰,中本敦浩,山下登茂紀,渡辺守
    • Organizer
      応用数学合同研究集会
    • Place of Presentation
      龍谷大学(滋賀県大津市)
    • Year and Date
      2014-12-20

URL: 

Published: 2016-05-27  

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