2014 Fiscal Year Annual Research Report
単調正規空間をファクターにもつ積空間の定常集合による集合論的考察
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24540147
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
矢島 幸信 神奈川大学, 工学部, 教授 (10142548)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | D-空間 / 積空間 / エレメンタリ―サブモデル / 正規性 / 被覆性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の課題に関連する単調正規空間をファクターにもつ積空間における被覆性の研究は、前年度までにほぼ終了したといえる。それは平田康史氏との共著論文の形でまとめられ、それは専門誌「Topology and its Applications」掲載も決定している。代表者の40年間の研究生活の中でも最高の出来栄えの論文と言っても過言ではない。その勢いをもってして最終年度に掲げた目標は「最も競争の激しい研究分野で論文を書く」ことである。 位相空間の被覆性として、現在最も注目されているものはD-空間の研究である。その理由は40年程前に提起された基本的な問題が未解決だからであろう。最近この基本問題の否定解に近い結果が得られたが、まだ解決には程遠い。その研究の競争は当然激しい。それだけに日本では、誰もこの分野の論文を書いてはいない。代表者は長い間「被覆性研究」に従事してきただけに、この分野でも研究結果を出せることを示したかった。 D-空間は有限積空間に関しては全く保存性がなく、可算積空間においてだけ肯定的結果が2008年に唯一得られた。最終年度に代表者はその結果をより一般的な場合にも成り立つことを証明した。さらにその結果は、平田康史氏の研究協力によって非可算積空間の場合にまで拡張できることを証明した。さらに代表者は「Covering properties(被覆性)」のタイトルで最近発表した研究概説において「位相空間の被覆性の研究には集合論的手法であるエレメンタリーサブモデルが、近い将来に証明に重要な役割をもつ」という予想を述べた。その例証として、この論文において主定理の証明にエレメンタリ―サブモデルを応用した。近々、故Rudin教授(米)の追悼論文集として「Topology and its Applications」の特別号が出版される。この論文はそこに掲載される予定である。
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Research Products
(7 results)