2013 Fiscal Year Research-status Report
非線形偏微分方程式系における解軌道のP進解析による複雑性構造解析
Project/Area Number |
24540180
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
内藤 幸一郎 熊本大学, 自然科学研究科, 教授 (10164104)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
城本 啓介 熊本大学, 自然科学研究科, 教授 (00343666)
三沢 正史 熊本大学, 自然科学研究科, 教授 (40242672)
和田 健志 熊本大学, 自然科学研究科, 准教授 (70294139)
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Keywords | p-進数論 / 連分数展開 / 格子理論 / 暗号理論 / 非線形偏微分方程式 / 力学系 |
Research Abstract |
代表者は多次元p-進近似格子を利用し、p-進弱Liouville型無理数の冪からなる多重p-進無理数有理近似解析の研究を行い、多重近似指数と弱Liouville型無理数の有理近似指数との間に成立する不等式関係を導出した。この無理数の冪を振動数としてもつ多重準周期力学系の離散軌道の再帰性について解析し、軌道の予測不能性を導出した。これらの研究結果を国際学会NACA2013で招待講演発表を行い、複数のp-進無理数の組についての一般化された結果については、学術雑誌 P-adic num.,Ultrametric Anal. Appl. に掲載予定である。 暗号理論の安全性の基礎となるNP困難性をもつ最小ベクトル問題SVPをp-進近似格子において解析し、多重p-進無理数有理近似理論から得られる理論値と、SVPの近似解法であるLLLアルゴリズムによる実験値との比較検証を行った。100未満の多重次元ではLLLが理論値に近い最小ベクトルを導出する有力なアルゴリズムであることが示された。実用化された格子暗号系としてはNTRU暗号が知られているが、本研究では、NTRU 暗号の高速化を目的とした暗号システムを提案し、高速性と安全性に関わる数値実験検証を行った。これらの結果についてはNACA2013での複数の一般講演で発表を行い、同Proceedingsに掲載予定である。 本研究に関連して、分担者三沢氏はpラプラシアン型偏微分方程式の定性解析についての研究結果をJ. Diff. Eq.に複数論文発表し、分担者和田氏は非線形シュレディンガー方程式の分数冪解についてProc. NAO 2012に論文発表、同マクスウェル型方程式について数学会特別講演で発表した。分担者城本氏は符号理論の研究結果をDesigns Codes Crypt. に論文発表、組み合わせ論の国際学会で招待講演発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
代表者のp-進解析理論の研究とその数理物理分野への応用、特に非線形偏微分方程式へのp-進解析への応用について、その基礎研究である離散力学系の再帰性解析研究では、p-進解析の代表的学術雑誌への掲載決定受諾、国際学会での招待講演発表を行うなどの研究成果があった。暗号理論への応用については、安全性の基礎となる NP困難性をもつ最小ベクトル問題(SVP)に関連するp-進格子における数理的及び実験的基礎研究に一連の成果があり、国際学会での発表を行っている。また本研究に関連した非線形偏微分方程式の数理解析研究では、分担者三沢氏は学術雑誌に研究成果発表を行い、和田氏は国際学会誌に研究成果について論文発表、数学会年会で特別講演を行っている。分担者城本氏は、暗号理論の基礎理論である符号理論についての解析研究を進め、研究成果について学術雑誌に論文発表、国際学会で招待講演を行なっている。以上のように代表者、全分担者ともに順調かつ活発な研究活動を行なっている。
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Strategy for Future Research Activity |
p-進解析理論の数理物理分野への応用を目的とした研究については、偏微分方程式研究の必須基礎理論であるフーリエ解析のp-進数版の研究を深める計画である。理論物理分野で現在急展開している超弦理論に今後深く関連する基礎研究手法となることが期待されている。 暗号理論の応用としては、現在、非斉次多重近似理論が注目を集めていることより、p-進近似格子理論と非斉次p-進多重近似理論との関連を通して研究展開を図り、新たな暗号系の開発を目指す計画である。 分担者三沢氏、城本氏は同部局であることより引き続き緊密な情報交換を通しての研究交流を図る。分担者和田氏は26年度より他大学へ異動したためこれまで通りの研究交流が見込めないが、九州大、熊本大で開催される定期セミナーでの機会を通じて研究交流をすすめる計画である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
分担者和田氏はH25年度より別課題の基盤Cの代表者となり、計上していた旅費の一部が和田氏の科研費より支払われたことによる未使用分が生じ、さらに和田氏のH26年4月からの異動に伴い、未使用分の使用を代表者に委託されたことによる。 H26年度も引き続き和田氏は研究分担協力者として共同研究活動を行うため、異動先の島根大から熊本大への招聘旅費として計上使用する計画である。
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Research Products
(17 results)
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[Presentation] From codes to matroid and back2014
Author(s)
Keisuke Shiromoto
Organizer
The 3rd Taiwan-Japan Conference on Combinatorics and its Applications (3TJCCA)
Place of Presentation
National Chiayi University, Chiayi City, Taiwa
Year and Date
20140321-20140321
Invited
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