2014 Fiscal Year Annual Research Report
非線形偏微分方程式系における解軌道のＰ進解析による複雑性構造解析
| Project/Area Number |
24540180
|
|---|
| Research Institution | Kumamoto University |
|---|
Principal Investigator |
内藤 幸一郎 熊本大学, 自然科学研究科, 教授 (10164104)
|
|---|
| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
城本 啓介 熊本大学, 自然科学研究科, 教授 (00343666)
三沢 正史 熊本大学, 自然科学研究科, 教授 (40242672)
和田 健志 島根大学, 総合理工学研究科(研究院), 教授 (70294139)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
| Keywords | P-進数論 / 連分数展開 / 格子理論 / 暗号理論 / 非線形偏微分方程式 / 力学系 |
|---|
| Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度では代表者は多次元p-進近似格子を利用した多重p-進無理数有理近似解析の研究を行い、多重近似指数とp進弱Liouville型無理数の有理近似指数との間に成立する不等式関係を導出した。さらに、p-進弱Liouville型無理数の冪を振動数としてもつ多重準周期力学系の離散軌道の再帰性について解析し、再帰的次元のGAP値が正の値を取ることを導くことにより、軌道が予測不能性を持つことを示した。これらの研究結果は、学術雑誌 P-adic Numbers Ultrametric Anal. Appl.に掲載された。さらに、代表者はp-進展開の係数からなる記号列から構成される記号力学系の解析を行い、この力学系の再帰的次元と位相的エントロピーとの間に成立する不等式を導いた。p-進展開列がSturm列で、その回転指数がLiouville数の場合には再帰的次元のGAP値が正となり、軌道が予測不能性を持つことを示した。これらの結果は、ICM Satellite Conf. 2014：NAO-2014での招待講演で発表し、詳細は上述の学術雑誌に掲載予定である。
代表者はp-進近似格子における最小ベクトル問題（SVP）について、多重p-進無理数有理近似理論から得られる理論値と、LLLアルゴリズムを用いた実験値との比較検証を行い、これらの実験結果に基づいた暗号系の提案を行った。これらの結果は、国際学会NAO2014で講演発表を行い、同会議論文誌に掲載予定である。また、p-進knapsack暗号の提案を国内学会での講演発表を通して行った。
本研究に関連して、分担者三沢氏はpラプラシアンを含む偏微分方程式の定性解析結果をJ. Diff. Eq. に発表し、分担者城本氏は符号理論に関わる結果をLinear Algebra Appl. に論文発表し、組み合わせ論の国際学会で基調講演発表を行った。
|
