2013 Fiscal Year Research-status Report
過電離プラズマで解明する超新星残骸の構造進化の新シナリオ
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24540229
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小山 勝二 京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 名誉教授 (10092206)
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Keywords | 超新星 / X線スペクトル / 電離非平衡プラズマ / 過電離プラズマ / 重元素組成 / 非等方爆発 |
Research Abstract |
本研究の目的は、 すざく衛星で、広範な超新星残骸を探査するこちにより過電離プラズマを発見し、その起源を解明する。またクロム、マンガン、鉄、ニッケルなど超新星爆発時に中心部で合成される元素の定量観側により超新星とその残骸の構造と進化に新視点をもたらす。ことである。 具体的な成果は ①IC443からCa, Fe の過電離状態を発見した。G348.5 及び銀河中心南部から過電離プラズマを発見した。②過電離プラズマ生成のモデルを考え数値計算した。③G12.0-0.1 とG355.6-0.1から初めてX線放射を発見した。④SN1006の元素分布を明らかにし、この爆発が非等方であったことを解明した。⑤Puppis A の膨張速度を決定した。など多岐にわたる。 以上の成果は8編の査読論文に発表し、1回の国際会議で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
想定外の成果としてFe族元素の過剰存在を示す超新星残骸が発見されたことである。 その結果も合わせて査読論文を8編も発表できたのは 予想以上の成果と言える。(当初の予想2-3編であった)。
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Strategy for Future Research Activity |
すざくで観測した超新星残骸で未解析のものがまだ多くあるので、これらの解析を順次すすめ、論文として完成させる。 また、すでに解析が終了した超新星では空間構造を詳細に解析、元素組成分布から爆発の機構を解明する。 過電離パラメタ―の空間分布と他の物理量(分子雲、γ線強度分布)との相関を明らか にして、過電離プラズマの生成機構にせまる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
学会の最後の日はおそくなるので、一泊する予定だったが、翌日急用が入ったので 宿泊せずに深夜に帰宅したため、一日分の宿泊費が余った。 繰越金額が8860円と少ないため、使用計画に変更はない。
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Research Products
(9 results)