2014 Fiscal Year Annual Research Report
放射性捕獲3α反応による12C生成のダイナミクスの理論的研究
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24540261
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
鈴木 宜之 新潟大学, 自然科学系, フェロー (70018670)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | Triple-alpha reaction / Hoyle resonance / Hyperspherical method |
Outline of Annual Research Achievements |
α粒子3個が放射性捕獲反応により炭素12の原子核を生成する反応のダイナミクスの理論的記述の最も難しい部分は、電荷をもった3粒子が連続状態にあるためにそれらが漸近領域にあってもクーロン相互作用が常に働くことを考慮しなければならないことにある。我々が用いた超球座標による断熱アプローチは、それぞれの超半径で断熱ハミルトニアンの固有値(断熱ポテンシャル)を詳細に検討することを可能にした。この結果、2個のα粒子が共鳴をつくりもう一つのα粒子と相互作用している連続状態の配位と3個のα粒子の連続状態との配位の挙動を詳細に分析することが出来た。この結果から、複素吸収ポテンシャルの助けをかりて放射性捕獲反応の鍵をにぎるホイル共鳴のエネルギーとその幅を計算することが出来た。共鳴エネルギーの5桁も小さい幅を高精度で計算したのはこれまでなく、本研究の大きな成果といえる。 ホイル共鳴の構造および放射性捕獲反応で遷移する炭素12の2+状態の構造の分析を行った。捕獲反応率の定量的な計算に必要なものはすべて得ることが出来たので、引き続いてその計算を今後も行う。
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