2014 Fiscal Year Annual Research Report
ダイヤモンドを用いた大強度ニュートリノ実験ミューオンプロファイルモニターの実用化
Project/Area Number |
24540307
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
山本 和弘 大阪市立大学, 大学院理学研究科, 准教授 (80303808)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 放射線検出器 / ダイヤモンド |
Outline of Annual Research Achievements |
J-PARC(茨城県東海村)のニュートリノビームラインに設置したCVD単結晶ダイヤモンド検出器への大強度ミューオンの照射を継続し、検出器から出力される電荷量に関してデータの収集を行った。J-PARCメインリングのビーム強度が増強されるにつれ、200kWを超えたあたりから、ビーム量当たりのダイヤモンド検出器の信号強度が減少する現象が観測された。200kWは照射粒子数に換算すると、3.5×10^7個/cm^2/spill に相当する。1ヶ月ほどにわたり、ダイヤモンド検出器の信号強度の時間変化を調べたところ、ほぼ一定のビーム強度にも関わらず、時間を経るごとに僅かずつではあるが、信号強度が減少していく様子が観測された。この信号強度の減少はほとんど全てのサンプルで観測されたが、減少幅には個体差があり、1%程度のものから10%近くまで減少したものもあった。この原因に関しては、照射される荷電粒子が膨大になり、ダイヤモンド内で生成される電子・正孔対が非常に多くなると、ダイヤモンド内の窒素等の不純物が引き起こす準位に電荷が蓄積されていき、内部電場が弱くなってしまうことが考えられる。そこで、同じメーカーで製作された同じタイプのダイヤモンドに対し、実験室でAm-241からのα線(5.4MeV)を照射して電荷収集効率を調べたところ、100%より大きく下回ってしまう結果になり、ダイヤモンド内で生成された電荷の一部が読み出し電極まで到達できずに捕獲されていることを裏付けることとなった。現在メーカーから入手できるダイヤモンド検出器に対し、3×10^7 個/cm^2/spill 程度までの大強度ビームでは安定動作が得られるという成果が得られたが、それを超える極めて大強度のビームに対しては課題の残る結果になった。今後発展させるには、不純物が極めて少ない良質な単結晶ダイヤモンドの製作を考える必要がある。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Measurement of Inclusive Electron Neutrino Charged Current Cross Section on Carbon with the T2K Near Detector2014
Author(s)
K. Abe, H. Aihara, Y. Fujii, T. Hasegawa, Y. Hayato, A. K. Ichikawa, H. Kakuno, T. Kobayashi, T. Maruyama, A. Minamino, T. Nakadaira, T. Nakaya, K. Nishikawa, T. Okusawa, K. Sakashita, Y. Seiya, T. Tsukamoto, Y. Yamada, K. Yamamoto, M. Yokoyama et al.
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Journal Title
Physical Review Letters
Volume: 113
Pages: -
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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[Journal Article] Measurement of the inclusive ν_μ charged cross section on iron and hydrocarbon in the T2K on-axis neutrino beam2014
Author(s)
K. Abe, H. Aihara, Y. Fujii, T. Hasegawa, Y. Hayato, A. K. Ichikawa, H. Kakuno, T. Kobayashi, T. Maruyama, A. Minamino, T. Nakadaira, T. Nakaya, K. Nishikawa, T. Okusawa, K. Sakashita, Y. Seiya, T. Tsukamoto, Y. Yamada, K. Yamamoto, M. Yokoyama et al.
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Journal Title
Physical Review D
Volume: 90
Pages: -
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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[Journal Article] Precise measurement of the Neutrino Mixing Parameter θ_23 from Muon Neutrino Disappearance in an Off-Axis Beam2014
Author(s)
K. Abe, H. Aihara, Y. Fujii, T. Hasegawa, Y. Hayato, A. K. Ichikawa, T. Kobayashi, T. Maruyama, A. Minamino, T. Nakadaira, T. Nakaya, K. Nishikawa, Y. Nishimura, K. Okumura, T. Okusawa, K. Sakashita, Y. Seiya, M. Shiozawa, K. Yamamoto, M. Yokoyama et al.
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Journal Title
Physical Review Letters
Volume: 112
Pages: -
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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