2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24540310
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
日比野 欣也 神奈川大学, 工学部, 教授 (80260991)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
立山 暢人 神奈川大学, 工学部, 教授(Professor) (30102239)
有働 慈治 神奈川大学, 工学部, 助教(Research Associate) (50506714)
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Keywords | 宇宙線 / 放射線 / モニタリング / 気象変動 / 大気現象 |
Research Abstract |
Svensmarkらが唱える「宇宙線雲仮説」によれば、宇宙線が雲凝固核形成に大きく寄与しているために、銀河宇宙線強度の増減が地球規模での雲生成に影響を与えている可能性がある。この可能性を検証する一つの方法として、地球で観測される銀河宇宙線が惑星空間攪乱との相互作用により減少する現象「フォーブッシュ減少」と実際の雲生成率との間に何らかの関係があるかどうかを調べたい。 本研究は、地上(神奈川大学横浜キャンパス)に設置した宇宙線観測装置(空気シャワー観測装置)をベースに、赤外線放射型雲モニターシステムの構築および設置して、雲量や雲高度と宇宙線強度の同時観測を行い、年数回の頻度で起こるとされる「フォーブッシュ減少」期間に低層雲生成率と宇宙線強度の間の関連性を検証することを目的としている。また、将来的には中国との共同研究として、チベット羊八井国際宇宙線観測所での高エネルギー宇宙線領域の強度測定が出来る約37,000平米の有効面積を持った緻密型空気シャワー観測装置、さらに同観測所内に設置された名大STE研や理研の中性子モニターなどのデータを含めた総合的なデータ解析を行うことを目指し、様々なノウハウを蓄積することも目的としている。 本年度は、次年度設置した赤外線放射型雲検出器が安定的に観測できるシステムを構築し、観測データを収集することと、雨滴や雨天時のラドン検出のためのガンマ線測定システムの開発を目標とした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、設置している赤外線放射型雲検出器が安定的に観測できていることを確認している。実際には激しい雨などにセンサー表面に雨滴が溜まってしまう現象があると正しいデータが収集されているか不明な点がある。データの質保証を行うために雨滴センサーを別途設けることを検討中であるが、概ね順調にデータ収集が行われている。 ラドン検出用のガンマ線測定システムもほぼ完成し、キャリブレーションも終えている。現在防水処理の方法を検討し、実際に野外に設置しても問題が起こらないか試験中であるが、概ね順調に進行している。 しかしながら、雲生成に関するモデル・シミュレーションに関しては今のところ手付かずとなっており、今後の課題である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、ラドンなどのガンマ線測定システムの野外設置を行い、全天型赤外放射観測型の雲モニターとの連動観測を目指す。また、宇宙線強度観測装置としての9台のシンチレーション検出器からなる空気シャワー観測装置は既に安定的にデータ収集を行っているので、これらのデータとの関連性に関しても、本格的に解析を行う予定である。 今のところ手付かずとなっている雲生成に関するモデル・シミュレーションに関しては、今後の課題である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
主に申請した旅費より、実際の旅費支出が少なかったことが大きい。 実験継続に伴う消耗品などに使う予定である。
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Research Products
(1 results)