2013 Fiscal Year Research-status Report
時間反転対称性の破れの測定実験のための高精度時間測定器の研究
Project/Area Number |
24540313
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
五十嵐 洋一 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 研究機関講師 (50311121)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齊藤 正俊 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 加速器科学支援センター, シニアフェロー (30391783)
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Keywords | 素粒子実験 / データ収集 / 時間測定 |
Research Abstract |
平成25年度においては、高精度時間測定を実現するために精度を追求するための時間精度試験用の基板の開発を行った。 一般的な光電子倍増管では負の極性の信号をインピーダンス 50 オームの同軸ケーブルで出力する。これを FPGA に入力するためには負の極性の信号を受けて FPGA に入力可能な低電圧 TTL あるいは LVDS レベルのディジタル信号に変換しなければならない。この処理を低ジッターで行いたいのであるが現在の技術トレンドとは合っていないため適切な部品が入手できない。そのため、この部分の実現のために高速な差動アンプを使用した回路、PECL 出力コンパレータを使用した回路、LVDS 出力 コンパレータを使用した回路、低電圧 TTL 出力コンパレータを使用した回路の 4 通りの回路を考えそれらの評価を行うこととした。FPGA への入力は電圧変動の少ない差動信号である LVDS が望ましいと考えられるが、低電圧 TTL でも必要な時間精度が出せるのであれば回路の信号線の取り回しや安定度からそちらのほうが望ましいため、低電圧 TTL も考慮に入れた。回路設計は SPICE シミュレータを使用して評価を行いつつ行った。設計された回路の精度を実際に測定するために、それらを実装した試験基板の製作を行った。試験基板には上記の回路と Xilinx FPGA Kintex 及びネットワークインターフェースが搭載されている、これにより必要なすべての機能が試験できるような試験基板となっている。同時にこの試験基板は実用機開発のためのプロトタイプの位置づけになっている。この基板の製作は終了し現在は正常動作させるための修正作業中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度においては試験基板作成とその試験基板を用いた回路の精度測定まで行う予定であったが、部品の調査、選定、回路設計にやや手間取り、試験基板の製作は出来たものの修正と精度測定が出来なかった。多少遅れは見られるが十分研究の遂行は出来る範囲である。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度に製作した試験基板の修正と精度測定、評価などを早急に行う。その結果を踏まえ実用機の設計に進む予定である。実用機の製作においては試験基板による研究結果を用いて、もっとも性能のよかった回路を用いて電子基板の設計および製作を行う予定である。実用機の製作を行うのと平行して、前年度製作した試験基板を用いて FPGA による時間測定の研究を進める予定である。すでに、FPGA の内部遅延を利用した内部回路の部分的な研究は進んでおり、それをどのように補正していくかの研究、実用的なファームウェアの開発、温度依存性などの安定度の評価などを行っていく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
見積もり誤差のため。 小額のため次年度の物品費に補填する。
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Research Products
(2 results)