2015 Fiscal Year Annual Research Report
時間分割中性子散乱測定による磁気相転移の実時間追跡
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24540351
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| Research Institution | Tokyo University of Science |
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Principal Investigator |
元屋 清一郎 東京理科大学, 理工学部, 教授 (60114683)
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| Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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| Keywords | 磁気構造 / 時間分割測定 / 中性子散乱 / フラストレーション |
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| Outline of Annual Research Achievements |
研究背景：本課題代表者は重い電子系物質CeIr3Si2の研究過程でその磁気構造が温度変化に対して特異な長時間変化を示す事を偶然発見した。これは規則構造をもつ３次元磁性体では常識に反する現象であり、競合する磁気相互作用の存在に起因する現象であると考えた。CeIr3Si2については２つの相での磁気構造を決定し、長時間変化の本質を明らかにした。また、物質探索を行ない、多くの希土類金属間化合物や３角格子磁性体Ca3Co2O6でも磁気構造の長時間変化があること、またその詳細には物質による差異があることを見いだした。これらの長時間変化が試料に含まれる不純物や欠陥などによる「乱れ」に起因するものでない事も確認した。
本課題での研究実績：磁気構造の長時間変化の微視的メカニズム解明と長時間変化出現の必要条件を探索した。前者についてはCeIr3Si2の磁気相関長の時間変化から磁気構造変化の時間的・空間的進行を捉え、構造変化は遅い核生成速度に律速された「核生成-成長型」であることを明らかにし、核生成と成長の各々に対する変化の特性時間を決定した。磁気構造の長時間変化を示した物質はすべて逐次相転移と多段メタ磁性転移を持ち、競合する磁気相互作用が深く関係していることが推察される。しかし、他にも長時間変化出現には必要条件がある筈であり、これを探索した。CeIr3Si2と非常に似た磁気的性質を持つが長時間変化は示さない物質CeRh3Si2との混晶系を作り磁気相図と時間依存性を調べた。低温相での強磁性成分の有無と長時間変化の出現に強い相関を見つけた。更に磁気構造変化は通常の相転移部分（変化過程が早く観測できない）と長時間変化部分の２成分からなり、両者の比率が磁気相図上の相境界からの距離に依存して変化することが解った。
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