2014 Fiscal Year Annual Research Report
複雑ネットワークにおける非線形輸送モデルの統計物理学的特性
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24540395
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| Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
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Principal Investigator |
高安 美佐子 東京工業大学, 総合理工学研究科(研究院), 准教授 (20296776)
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| Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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| Keywords | 複雑ネットワーク / 非線形輸送システム / 流域サイズ / パーコレーション相転移 / 臨界点 / ネットワーク生存率 / 頑強性 / 物流ネットワーク |
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| Outline of Annual Research Achievements |
経済活動に関連した複雑ネットワークの研究対象として、約７０万社から構成される企業の取引ネットワークデータを解析した。取引関係によって生じるお金の流れの特性を明瞭化させる方法として、それぞれの企業から出ていく取引先の中で最も取引数の多い相手との関係を残してリンクとし、他の取引関係を無視する手法を開発した。この定義は、流れを逆向きにしたモノやサービスの流れに対しても双対ネットワークとして定義される。この方法を適用することによって、それぞれの企業に対して、お金の流れとモノの流れに対してループのない樹状の流域が定義され、ネットワークの中での企業の重要度が明瞭になると同時に、様々なモノが次第に集まって製品になり、それがそれぞれの地域に配送されるトータルな物流を定量的に評価できるようになった。
また、取引ネットワーク上でのリンクを仮想的にランダムに取り除いていく処理をしたときに、全国的な連結性がなくなる現象を、統計物理学におけるパーコレーション理論に基づいて解析した。その結果、臨界点ではループがないネットワークとなり、臨界指数は平均場理論によって与えられる値と一致することを明らかにした。応用として、臨界点において最大クラスターに属する確率をネットワーク生存率として定義し、その量がどのような特性を持つかを調べた。リンク数やシェル番号などの既存のネットワーク特徴量と相関はあるが、既存の量とは異なるネットワークの中での特性を表しており、例えば、地域の経済の頑強性をネットワークの視点から特徴づけることに使えることを示した。
企業取引ネットワーク上でのお金の流れを記述する非線形方程式をデータから経験則として導出することができ、ネットワーク構造から売上やお金の流れをある程度推定できることを明らかにした。
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Research Products
(22 results)
