2013 Fiscal Year Research-status Report
活動的火山の脱ガスに伴う自然電位異常の発生に関する研究
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24540462
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
松島 喜雄 独立行政法人産業技術総合研究所, 活断層・火山研究部門, 主任研究員 (30358022)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高倉 伸一 独立行政法人産業技術総合研究所, 地圏資源環境研究部門, 上級主任研究員 (50357349)
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Keywords | 火山 / 熱水系 / 自然電位 / 電磁探査 |
Research Abstract |
火山活動が活発な火山を対象にテストフィールドを設け、野外観測、室内実験、数値シミュレーションの多角的な手法により、マグマからの脱ガスに伴う自然電位発生のメカニズムを検証することを目的に、AMT法による電磁探査を雌阿寒岳で実施した。 AMT法による電磁探査は、雌阿寒岳の西山麓から山頂に至るオンネトー登山道沿いの約4㎞の測線上、9ヵ所の観測点で実施した。データの解析を進め、およそ2kmまでの深度の比抵抗構造を得た。昨年度および今年度の測定結果をもとに、薩摩硫黄島火山と雌阿寒岳火山の自然電位分布の発現様式おける比抵抗構造の影響について定性的な考察を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
火山活動が活発化した際にどのような自然電位の変動が現れるか予測を行うために、地殻浅部でのマグマから脱ガスによって噴気活動が生じている火山の、自然電位異常の発生メカ二ズムを再検討することを目的にしている。 自然電位の発現様式の多様性をもたらす比抵抗構造の影響を検討するため、テストフィールドとなる雌阿寒岳にてAMT法による電磁探査からなる野外観測を予定通り実施した。また、そのデータを解析することによって比抵抗構造を得ることができた。ただし山岳が急峻でかつ広域であるため、測定は西側山域に限られ、全山を横断するような測定はできなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
雌阿寒岳火山での野外観測として、未消化であった東側山域の電磁探査を実施し、全山を横断するような比抵抗構造を求める。薩摩硫黄島火山および雌阿寒岳火山で取得したデータを解析をさらに進めるとともに、熱水系の数値シミュレーションを実施し、新たに提案した自然電位発生メカニズムのモデルの検証作業を進める。 当初の計画にあった、採取サンプルの室内実験によるゼータ電位測定は、連携研究者の異動等から実施が困難な状況にあるが、その場合には過去に得られている一般的なデータを使用する。また、地表面温度分布測定については、航空機のチャーターが難しい状況にあるため、地上からの測定および、過去の測定データを利用する。いずれも当該研究の遂行に大きな支障はない。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
観測に使用する消耗品類の契約額が見込み額を下回ったため。 観測に使用する消耗品類の購入に充当する。
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