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2012 Fiscal Year Research-status Report

寒冷地汽水湖における湖底堆積物の形成過程の解明

Research Project

Project/Area Number 24540466
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Research InstitutionKitami Institute of Technology

Principal Investigator

駒井 克昭  北見工業大学, 工学部, 准教授 (90314731)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 中山 恵介  北見工業大学, 工学部, 教授 (60271649)
中下 慎也  広島大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (90613034)
Project Period (FY) 2012-04-01 – 2015-03-31
Keywords堆積物 / 懸濁粒子 / 沈降 / モデル / 有機物質 / 汽水湖 / 寒冷地
Research Abstract

北海道地方などの寒冷地の汽水湖の水環境保全には流入負荷対策に加えて湖底堆積物を起源とする有機汚濁対策が課題となっている.これは,寒冷地固有の泥炭質土,火山灰質土,畜産排水,畑地,森林,等の様々な起源を有する水と土砂が流入する上,湖底堆積物の形成過程における有機物質の作用に関する知見が不足していること,等の学術的課題が障壁となっているためである.
本研究ではレーザー回折・散乱法の原理を用いた粒度分布計を利用してわが国の代表的な寒冷地汽水湖である網走湖の湖底堆積物に含まれる有機懸濁物質の沈降速度,有効密度の推定手法を開発するとともに,凝集・沈降速度モデルの適用性を検討した.まず,わが国の代表的な寒冷地汽水湖である網走湖において試料採取を行った.網走湖では寒冷地固有の後背地を有する水域である.試料採取は網走湖内の複数地点において異なる季節に湖底堆積物の不撹乱柱状コアおよび湖水を季節別に採取した.
次に,採取された堆積物試料を用いて,粒度分布に基づいた沈降速度の推定,並びにフロック構造に関する考察,および種々の水質条件下での凝集・沈降実験を行った.堆積物の有機物質の違いを考察するため,網走湖の流入地点と貧酸素化した湖心,および湖口部付近での採取試料を用いた実験ケースを行った.また,水質の影響については淡水層と塩水層の違い含めて,各地点での現地水試料,および精製水.NaCl水を用いた実験ケースを行った.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

当初の目標どおり,有機物質の特性を考慮した凝集・沈降モデルの適用性を検討することができたことから,当初設定した目標は概ね順調に達成されている.
具体的には,粒度分布測定と粒子の沈降現象を単純化し,粒度分布の経時変化から理論値を求める新しい沈降速度推定手法を考案し,その適用性が確認された.本手法では沈降速度の平均値が一意的に求められ,統計的な評価が容易である点に優れている.
湖底堆積物の沈降速度は,強熱減量とC/N比を用いた有機物質の指標にしたモデルを適用すると,温帯汽水域の堆積物よりも沈降速度が大きい傾向にあることが示唆された.小粒径では分解が進んで付着有機物が減少し,凝集せずに高比重化している可能性が示唆された.これらは本研究による新しい知見である.また,大粒径ほど凝集により低密度なフロックを形成していることが考えられた.
さらに,試験的にゼータ電位を計測した結果,底泥に含まれる有機物量が多いものほど,低濃度の汽水中で凝集が起こりやすいことが推察された.この結果は寒冷地汽水湖の湖底堆積物や湖水の溶存有機物の特徴を示している可能性がある.

Strategy for Future Research Activity

今年度も引き続き,沈降速度推定手法とモデル化の高精度化を進める.初年度には,新しい沈降速度推定手法の考案に成功したが,より高精度化できる余地があり,実験条件を改良して手法の改良に取り組む.また,凝集・沈降モデルについては実験値の再現性が不十分である場合もあり,寒冷地特有の凝集・沈降特性が示唆された.しかし,未だ,実験ケース数が限られており,より一般的な結論を得るには実験条件を変えたより多くの実験データを蓄積することが必要である.そこで,今年度は水中の溶存有機物を含めて実験データを増やすとともに,界面特性についての実験データを増やし,有機物質の影響を考慮した沈降・凝集モデルの開発を進めることを目標としている.
また,初年度に引き続き,連携研究者によって気象イベントによる現地流動の調査を行われる.初年度には顕著な気象イベントが発生しなかったが,現地における濁質輸送と流動の同時計測のための関係性が得られた.今年度,計測地点と調査方法を変更する予定であり,有効な現地データが得られれば,汽水湖に形成された成層場を考慮できる3次元流動シミュレーションの結果とあわせて,濁質輸送と流動場の関係についての影響の検討を行う.

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

該当なし

  • Research Products

    (4 results)

All 2013 2012

All Journal Article (3 results) (of which Peer Reviewed: 3 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] 網走湖におけるメタン発生メカニズムの解明2013

    • Author(s)
      丸谷靖幸, 中山恵介, 佐々木正史, 新谷哲也, 駒井克昭, 岡田知也, 菅原庸平, 崇田徳彦
    • Journal Title

      土木学会論文集B1(水工学)

      Volume: Vol.69, No.4 Pages: pp.1435-1440

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] 内部ケルビン波の砕波により誘起される流れ2012

    • Author(s)
      中山恵介,小窪一毅,新谷哲也,大塚淳一,丸谷靖幸,渡部靖憲,駒井克昭,岡田知也
    • Journal Title

      土木学会論文集B2(海岸工学)

      Volume: Vol. 68 Pages: pp. 926-930

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] Residual currents over a uniform slope due to breaking of internal waves in a two-layer system2012

    • Author(s)
      Keisuke Nakayama, Tetsuya Shintani, Kazuki Kokubo, Taro Kakinuma, Yasuyuki Maruya, Katsuaki Komai, and Tomonari Okada
    • Journal Title

      JOURNAL OF GEOPHYSICAL RESEARCH

      Volume: VOL. 117, C10002 Pages: -

    • DOI

      doi:10.1029/2012JC008155

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] Investigation of the distributuion of dissolved organic matter in an ice-covered brackish lake by using EEMS2012

    • Author(s)
      Komai, K. Sugawara, Y. Kokubo, K. Kato, J, Maruya, Y, Y,Matsuda, W. Kameda, S. Ebe, R., Nakayama, K.
    • Organizer
      ASLO Aquatic Science Meeting, 2012
    • Place of Presentation
      滋賀県大津市
    • Year and Date
      20120708-20120713

URL: 

Published: 2014-07-24  

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