2013 Fiscal Year Research-status Report
西南日本の白亜紀弧火成活動とプレートの沈み込み・付加との関連
Project/Area Number |
24540490
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
今岡 照喜 山口大学, 理工学研究科, 教授 (30193668)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
君波 和雄 山口大学, その他部局等, 名誉教授 (20127757)
永嶌 真理子 山口大学, 理工学研究科, 准教授 (80580274)
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Keywords | ランプロファイア / K-Ar年代 / スラブのロールバック / 白亜紀 / Sr-Nd 同位体 / 東アジア |
Research Abstract |
本研究は西南日本内帯の前期白亜紀火成活動(火成岩類の放射年代,火成活動の様式や規模,岩石学的・地球化学的特性)とプレート沈み込み(スラブの年代,熱イベントなどの変遷)を関連づけて統一的に説明・理解することを目的としている.そこで近畿地方に分布するおおよそ100 Maのエピソディックなマグマ活動で形成された京都・宇治市周辺のNbに富む角閃石スペッサルタイト岩脈,アダカイト質丹波花崗岩質岩(貴治ほか,2000)およびマントル・ゼノリスのK-Ar年代と地球化学的特性について検討し,それらを包括した当時のテクトニクスについて議論した.詳細はLithos誌に掲載済である(Imaoka T., K. Nakashima, A. Kamei, T. Itaya, T. Ohira, M. Nagashima, N. Kono and M. Kijiet al., 2014. Episodic magmatism at 105 Ma in the Kinki district, SW Japan: petrogenesis of Nb-rich lamprophyres and adakites, and geodynamic implications. Lithos, 184-187, 105-131.) 近年,東アジアにおいてジュラ紀の低角沈み込みと白亜紀初期におけるスラブのロールバックが推定されている(例えば,Sagong et al., 2005; 君波ほか,2009;Kee et al., 2010; Zhang et al., 2010; Kiminami and Imaoka, 2013).近畿・中国地域における100 Maの火成活動開始とアダカイト・ランプロファイアーの形成は,スラブのロールバックとそれにともなうアセノスフェアの上昇に起因する可能性があることを指摘した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度は、前年度から検討してきた100 Ma火成岩およびマントルゼノリスの岩石学・年代・同位体・テクトニクスの補足的検討をし、それを論文化することであった。検討結果は2013年1月にLithosに掲載されたので、おおむね順調に進展しているといえる。また、平成25年度以降は、西南日本の100 Ma以降の大規模珪長質火成岩類の地質、地球化学、Rb-Sr同位体および四万十帯北帯の堆積岩岩石学について検討する予定であり、予定通り後期白亜紀の大規模珪長質火成岩類の地球化学,Rb-Sr同位体について検討を進めている。これらの成果は、4件の学会発表として公表した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度以降の計画のうち、内帯における後期白亜紀火成活動の検討が多岐にわたりその検討を優先させるため、四国地方に関する下記の2点については、文献調査にとどめる予定である。 ・四国西部・東部白亜紀四万十帯北帯北部の堆積岩の記載・地球化学的検討 関門層群から砕屑物が供給されたと推定される地層が四万十帯北帯北縁部に存在する.君波と今岡はその地層の空間的・時間的広がりや砕屑岩の岩石記載,XRF分析,ICP-MS分析(Actlabsへ外注)によって岩石学的・地球化学的特徴を詳細に検討する. ・四国東部の三波川変成帯の地質調査,片岩類の地球化学的特性の解明 Kiminami & Ishihama (2003)に代表される一連の地球化学的研究は,四国三波川帯(緑泥石帯)の多くが白亜紀四万十累層群を原岩層とすることを示している.この問題は,沈みこみ帯における活発なアンダープレーティングの時期を特定するために重要である.君波と今岡はさらに検討地域を広げと標記の野外調査,砕屑岩片岩・緑色岩片岩のXRF分析,希土類元素を含む微量元素のICP-MS分析(Actlabsへ外注)およびSr, Nd同位体測定を行う. 後期白亜紀の大規模なイグニンブライト形成によるカルデラ形成について詳細な記載を行い、そのテクトニックな環境をプレート沈み込みの観点から議論していく予定である。
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Research Products
(14 results)
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[Journal Article] Episodic magmatism at 105 Ma in the Kinki district, SW Japan: petrogenesis of Nb-rich lamprophyres and adakites, and geodynamic implications2014
Author(s)
Imaoka, T., Kiminami, K., Nakashima, K., Kamei, A., Itaya, T., Ohira, T., Nagashima, M., Kono, N. and Kiji, M.
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Journal Title
Lithos
Volume: 184-187
Pages: 105-131
DOI
Peer Reviewed
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