2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24540495
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
久田 健一郎 筑波大学, 生命環境系, 教授 (50156585)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ジルコン年代 / ジュラ紀付加体 / チャート-砕屑岩シーケンス / 砕屑岩脈 |
Research Abstract |
筆者は長らく関東山地の秩父帯や四万十帯の中生代付加体研究を進めてきた。その結果、付加体研究でのチャート砕屑岩シーケンスの意義は重要であり、アジア大陸東縁の沈み込み帯で形成された中生代付加体の後背地研究でその後背地となるべくアジア大陸東縁のテクトニックは環境を推定することは重要な意義を有する。しかしながら従来の構成鉱物モード組成の研究方法では、必ずしも精度の高い適切な結果が得られるとは限らない。そこで最近注目されている、砕屑性ジルコン年代測定と希土類元素化学組成による手法を用いて、より精度の高い後背地研究を実施することを目的とした。 平成24年度は、犬山シーケンスのジルコン年代を検討した(学会発表)。今年度は希土類元素化学組成の検討は時間的制約から見送り、砕屑性ジルコン年代の検討を実施た。今回犬山シーケンスの4か所で、ジルコン年代の検討を行うために砂岩の採集を行った。その際、砂岩インジェクション様の砂岩層を避け、厚層部の中粒砂岩層で採集を行った。犬山シーケンスを含む上麻生ユニットの付加年代は、美濃帯のプレート層序復元図より150 Ma以前と考えられる。今回ジルコン年代を測定した結果、4カ所のうち2か所の最も若いジルコン年代は、顕著なピーク年代によれば、68Ma前後とみなせる。すなわち、68Maジルコン粒子を含む砂岩は、砂岩岩脈とみなすことが最も妥当と考えられる。これは新しいジュラ紀付加体像を描き出すものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ジルコン年代が得られたことは、本年度の研究がおおむね順調であることを示している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度には時間的制約で実施できなかった、希土類元素によるテクトニックセッティングを考察を進める予定である。またジュラ紀後背地の研究として、ジルコン以外の砕屑性重鉱物研究も採用し、本研究を多角的に進める予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度は日本列島のジュラ紀付加体の砕屑物後背地となっている韓半島のジルコン年代をレヴューする予定である。特に韓国ソウル大学のLee Yong Il 教授の元には多量のジルコン年代が蓄積されていると聞く。今後は国際連携を深め、供給地となった韓半島の、特に原生代の地質状況の掌握に努める計画である。また可能ならば、中国・揚子江地塊の大河である揚子江の運搬砕屑物からも砕屑性ジルコンを集め、同地塊のジルコンの年代特性を明らかにしたい。これらにより、より具体的なジュラ紀付加体の後背地が明らかにされるものと期待される。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Petrografhy and geochemistry of clastic rocks within the Inthanon zone, northern Thailand: Implications for Paleo-Tethys subduction and convergence2012
Author(s)
Hara H., Kunii M., Hisada K., Ueno K., Kamata Y.,srichan W., Charusiri P., Charoentieirat T., Watarai M., Adachi Y. and Kurihara T.
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Journal Title
Journal of Asian Earth Sciences
Volume: 61
Pages: 2,15
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] Nan Suture in Laos
Author(s)
Hisada, K., Hirauchi, K., Hara, H., Charusiri, P. and Khampavong, K.
Organizer
The 2nd Lao-Thai technical conference on geology and mineral Resources
Place of Presentation
Vientian, Laos